夏になると眠りの質が悪化する…という症状の原因と対処法
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 7月18日
- 読了時間: 6分
こんばんば^^今日も暑い一日となりましたね。明日から来週いっぱいまで30℃以上で晴れる日が続くという予報が出ています。暑さを体力を消耗させますので、無理なくお過ごしになるようにしてくださいませ。
さて、今回のブログは「夏になると眠りの質が悪化する…という症状の原因と対処法」についての説明となります。
皆さんよく眠れていますか?
いつもは大丈夫だけど、夏になるとなぜか眠りの質が悪くなる…という方はいらっしゃいませんか?
今回は夏になると眠りの質が悪くなるという症状の原因と対処法について、わかりやすくご説明させていただきますね。
夏は眠りの質が悪化しやすい

スタンフォード大学の研究にて、12月に比べて7月の睡眠スコアが約1.7ポイント低下、睡眠時間は約12分短く、深い睡眠も約7.5分減少ということが分かっています。また、中国の大規模調査(21万人・2,300万夜分)では、屋外温度が10℃上がるごとに睡眠不足のリスクが20%増加するということもわかっています。
実際に私自身も、夏になると入眠までの時間は短い傾向があるものの、朝早く目が覚める早期覚醒を感じることが多くなり、日中に少し眠たくなることが多いと感じています。
✅夏に眠りの質が悪くなる原因
暑さ(室温・湿度):深部体温が下がりにくく、寝つきが悪くなる、途中で目が覚める、早朝覚醒
日照時間が長い:メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が遅れ、寝つきが遅くなる、明るくなるのが早い→早朝覚醒
発汗による体液・ミネラルの消耗:火照りやだるが生じやすく、疲れているのに眠れない
自律神経の乱れ:高気温、光の刺激、温度差、湿気が交感神経を刺激し、興奮状態に
冷たい飲食物の取りすぎ:胃腸の機能低下による不快刺激にて交感神経が刺激される
✅睡眠の質が悪化することで生じる症状
朝起きてもだるい、寝た気がしない
夜中に目が覚めて眠れない(中途覚醒)
夢が多くて眠りが浅い
寝汗、寝苦しさ
日中の集中力低下、疲労感
夏の眠りの質を改善するためにはどうすればいいのか

①室温を調整する
筑波大の櫻井武教授によると、エアコンの設定温度は24℃で風量は弱、風向きは風が体に直接当たらないように上向きに設定にするのがベストだとしています。少し寒い温度なので、長袖のパジャマを着て、掛け布団などを掛けて眠るのがいいと説明されています。
実際には室温は各々、その人に合った温度でいいと思いますが、暑くて目が覚めることがないよう、それなりに下げて、その上で掛け布団で調整するようにしましょう。
また、氷枕などを利用するという手もあります。エアコンの冷気に体全体をさらすより、「頭部だけ冷やす」ほうが快適な人も多いです。冷房設定を少し上げても寝やすくなるという効果もあります。
②遮光カーテンを使う
夏は明るくなってくるのが早く、4時半ころに日の出を迎えます。よって、起床の時間前に部屋が明るくなってしまい、それによって目が覚めてしまう(早朝覚醒+部屋の温度上昇による覚醒)という状況が作り出されやすくなります。
その対策として役立つのが遮光カーテン。日光をシャットアウトしてくれるので、起床時間までしっかりと眠ることができます。
③こまめに水分を摂取する+汗をかきすぎない
水分は一気に摂取するとあまり吸収されません。理想的な量は1回150ml程度をを15〜20分おきに摂るのがベスト。これを踏まえながら、水分はなるべくこまめに摂るようにし、さらに汗をかきすぎないようにして体液を守るようにしましょう(適度な発汗は逆に健康に役立ちます)。
一気飲みや冷たい水分、甘すぎる清涼飲料水などを摂りすぎると、胃腸の機能が低下してしまい必要な水分や食事からの栄養素の吸収が悪くなり、心身が疲弊してしまう+消化されな飲食物が胃腸に停滞するなどして、心身の疲弊→疲れすぎて眠れない、飲食物の停滞→胃腸に生じる不快刺激で眠りが悪くなるなどの状況が作り出されます。
④バランスのいい食事を心がける
夏は胃腸への血流量が減る(熱を逃がすために体表部の血流が活発になるため)ことや、水分の需要が高まり胃液が薄まること、また、暑さやエアコンにより自律神経が失調しやすいことなどにより、胃腸の機能が低下しやすくなります。それにより、ついあっさりしたものばかりになってしまいます。
しかし、夏は暑さによって多くのエネルギーや栄養素、水分を必要とする時期。
ビタミン、ミネラル、たんぱく質、脂質などをバランスよく摂取する必要があります。それにより、心身が健全な状態となり、結果、良質な眠りを得ることができます。
⑤昼寝のしすぎに気を付ける
夏といえばお昼寝、お昼寝といえば夏といっても過言ではありません。
夏は心身が疲れやすいので昼寝はマスト。昼寝することによって一日がんばれるようになるので、うまく役立てていただきたいのですが、一方で寝すぎてしまうと夜に眠れなくなってしまいます。なので、昼寝は20分以内とするようにしましょう。
⑥入浴の仕方に気を付ける
基本的に入浴にて体を温めたり、血流を良好にしたりすることは安眠に役立ちますが、一方で温めすぎてしまうと、交感神経を刺激し過ぎてしまい、逆に眠りを妨げてしまうことがあります。
夏の入浴のポイントはぬるめの湯(37〜39℃)で5〜15分、寝る1〜2時間前に入浴、 湯上がり後はクールダウンを丁寧に行うなどを意識するようにしてください。
⑦適度に心身を疲労させる
いくら暑いからといって、一日中部屋にこもって心身を動かさない生活を送っていると、心身が疲れないので必然的に眠りの質も悪化してしまいます。なので、なるべく動ける時間帯(朝夕)または場所(エアコンの効いたデパートやホームセンターなど)にて心身を動かすようにしてみてください。
また、寝ている時に分泌されるメラトニンをストップさせるために、起床から1時間以内に「太陽光を浴びながらラジオ体操やウォーキング、庭仕事などを5分程度行う」ような習慣をつけてください。そうすることで、就寝時間にメラトニンが分泌されるようになるので、眠りの質を向上させることができます。
漢方薬による対策法

火照りや神経のたかぶりが原因の時は黄連解毒湯や竜胆瀉肝湯
火照りや動悸、舌炎、喉の乾き、疲れやすい時は清心蓮子飲
暑さによるイライラや精神的ストレスが原因の時は加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蠣湯
疲れや多汗、火照りが顕著な場合は酸棗仁湯、天王補心丹
焦燥感や動悸、口内炎、火照り、だるさなどがある時は黄連阿膠湯
食欲不振や不安感、夏バテ気味、めまいなどを伴う時は帰脾湯、加味帰脾湯
むくみや舌苔が厚い、のぼせ、暴飲暴食などで眠りが浅い時は温胆湯、柴胡加竜骨牡蠣湯
※実際の服用の際には専門家に相談してからにしてください
今回は以上になります。
夏はただでさえ疲れやすい時期。そんな時に眠れないと余計に疲れてしまい、仕事や日常生活に問題を発生させてしまいますし、健康状態も悪い方向に行ってしまいます。よって、なるべく生活習慣を工夫して改善してみてください。もしうまくいかない…という時は漢方相談をお待ちしております。
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