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「熱中症の後遺症」を漢方薬で改善する方法

  • みやわき健康薬局  宮脇 崇
  • 4 日前
  • 読了時間: 5分

こんばんは^^今日は昨日と比べて気温が低く過ごしやすかったですね。このくらいの気温ならばそんなに辛くないかなと感じます。ただ、土曜日はまだ最高気温が34度になるみたいです。お互いに注意しましょうね。



さて、今回のブログのタイトルは「熱中症の後遺症を漢方薬で改善する方法」になります。


この時期に多くなるのが熱中症ではなく、熱中症の後遺症。

熱中症になってしまってから疲れが抜けない、火照りやすい、胃腸の調子がいまいちなのが続いている…などが多い相談内容になります。


今回はその熱中症の後遺症に対する漢方療法についてご説明します。




熱中症の後遺症とは

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熱中症は「一度回復すれば終わり」と思われがちですが、実際には 数日~数週間、場合によっては数か月 にわたり体調不良が残ることがあります。これを「熱中症後遺症」と呼びます。


代表的な後遺症には、記憶力や判断力の低下、麻痺、ふらつきなどの脳機能障害、倦怠感、頭痛、めまい、胃腸障害、発汗障害、睡眠障害、肝機能障害や腎機能障害などがあり、軽度な症状から重度な症状まで、さまざまな形で現れます。


熱中症後遺症の症状(よくみられるもの)

  • 麻痺、ふらつきなどの脳機能障害

  • 倦怠感やだるさ

  • 頭痛

  • めまい

  • 胃腸障害

  • 発汗障害

  • 睡眠障害

  • 肝機能障害

  • 腎機能障害

  • 集中力・記憶力の低下

  • 気分の落ち込み、不安感




なぜ後遺症が引き起こされるの?

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後遺症が引き起こされる原因

  • 高体温が続くと視床下部の神経細胞にダメージが生じ、発汗や血流コントロールが不安定になる→自律神経全般の機能が失調

  • 脱水や電解質バランスの崩れ→恒常性に問題が発生→自律神経の失調、筋肉と心臓の機能失調、脳と視床下部へのダメージ、腎臓への負担増

  • 臓器への熱ダメージ→むくみ、倦怠感、動悸、体温以上など。重度の場合は腎臓や肝臓、脳に障害が残る場合も

  • 精神的なダメージ→熱中症がトラウマとなりメンタルが不安定に





どのような治療を選択すればいいのか?

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  • 十分な休養(無理に運動や仕事を再開しない)

  • 水分・電解質補給(水だけでなく経口補水液や味噌汁など)

  • バランスの良い食事(特にタンパク質・ビタミンB群・ミネラル)

  • 睡眠環境の改善(エアコンの利用・寝具の調整)

  • 医療機関の受診

    • 意識のぼんやり、記憶力低下、不眠、めまい、発汗異常 → 神経内科/脳神経内科

    • 尿が少ない・濃い色、むくみ、体のだるさ → 腎臓内科

    • 強い倦怠感、黄疸(皮膚や目が黄色い)、吐き気 → 消化器内科(肝臓専門医)

    • 動悸、胸の違和感、不整脈 → 循環器内科

    • 不安感、気分の落ち込み、PTSD的な症状 → 心療内科/精神科

    •  症状が複数の臓器にまたがる場合や、受診先に迷うとき→総合診療科


まずは以上を意識します。とにかく医療機関を受診し、日常生活では「エアコンの効いた部屋でしっかり休む」これに尽きます。そうした上で、よくなってきたら徐々に心身をいつもの生活に戻していくようにします。


大事なのは重篤な症状がある場合は「必ず医療機関を受診」すること。

人によっては臓器や脳に大きな損傷が及んでいるケースがありますので、まずは診てもらい深刻な状況の有無を確認することです。


さらに、「今までの生活で熱中症が引き起こされている」ので、同じような生活をしないことも大事になりますね。とにかく無理せずに、負荷を落として体力を温存することを念頭に置いて生活してください。同じ生活をしていると再び熱中症を発症することがあります。




以上を踏まえ、漢方薬の活用法

漢方薬の場合はケースバイケース、その人の体質や症状によって処方を使い分けるというのがセオリーとなっています。全ての熱中症後遺症の人に対して五苓散や清暑益気湯を使うというのは間違いです。



①喉の乾きや息切れ、息苦しさなどの肺や粘膜の乾燥がある時

暑さや脱水や電解質バランスの崩れなどにより、口や喉、肺の乾燥(息苦しい、胸部が重い)が強く出ている時は麦門冬や人参、五味子、甘草などの肌粘膜及び肺を潤す生薬を用います。例:麦門冬湯、麦味参顆粒、清暑益気湯


②胃のむかつき、食欲不振、下痢などの胃腸症状がある時

熱中症になると胃腸に問題が発生しやすくなります、また後遺症によって自律神経が乱れても機能が失調します。このような時は胃腸の機能及び自律神経を調整する漢方薬が用いられます。例:平胃散、六君子湯、晶三仙、半夏厚朴湯、半夏瀉心湯


③動悸や下痢便秘、めまい、冷え又は火照りなど自律神経が不調になっている時

熱によって視床下部に問題が発生している場合や、熱中症による臓器の不調、トラウマなどによって自律神経に不調が出ている時は、自律神経を整える処方を用いながら、個々の自然治癒力を向上させるという方法を用います。例:柴胡桂枝湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、逍遥散、釣藤散、酸棗仁湯、半夏厚朴湯


④腎臓にダメージが及び機能に問題が発生している場合

脱水や心身の疲弊によって一時的に腎機能に問題が発生する場合はあります。この場合は病院に任せることが多いですが、漢方薬でも腎臓の機能を助けることができます。例:杞菊地黄丸、八味地黄丸、牛車腎気丸、猪苓湯、補陽環五湯、黄耆建中湯、冠元顆粒


⑤火照りやのぼせ、暑さへの耐性低下などが慢性化している場合

体力の低下や体全体の保水力低下、自律神経の失調などで火照りやのぼせが続いたり、暑さに対する耐性が低下(暑熱の環境にいると具合が悪くなるなど)するなどの症状が続くことがあります。この場合には、症状の原因を探り出して改善する必要があります。例:麦味参顆粒、杞菊地黄丸、補中益気湯、白虎加人参湯、釣藤散、六君子湯、地竜、牛黄


以上がよく行われる漢方療法になります。これらを体質や症状に合わせて用いるのがスタンダードですが、一つの原因のみで後遺症が発生している場合は少なく、多くの場合は様々な原因が複雑に絡み合い、さらに体質も個々異なりますので、それによっても用いる処方が異なってくるというのが現状となっています。


よって、用いる際には必ず「専門家に相談」するようにしてください。自分で「これかな?」と使ってもうまくいきません。



それではよい週末を^^





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