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「冷え+肌の乾燥対策」に用いる温経湯と当帰飲子の違い

  • みやわき健康薬局  宮脇 崇
  • 3 時間前
  • 読了時間: 5分

こんばんは^^今日も空っ風が強くて寒い一日になりました。

空気がとんでもなく乾燥しているため、「足がかゆい」「唇がパックリ割れる」という方も多いのではないでしょうか。(私も例外なく…)


そんな乾燥の季節というのもあり、今回は冷えや肌の乾燥対策として用いる温経湯と当帰飲子の違いについてご説明させていただきます。


貧血っぽいし

冷えやすいし

さらにあちこち乾燥で痒い…

唇や口角も乾燥でよく切れる…

などがある方は、漢方でいう温経湯や当帰飲子、当帰芍薬散、四物湯、人参養栄湯、当帰四逆湯、麦門冬湯、各種地黄丸類などが適応になるのですが(代表的なものになります。実際にはもっとたくさんの処方があります)、その中で特に有名な温経湯と当帰飲子の違いについてご説明させていただきます。




決定的な違いは「血流障害への作用の強さ」


当帰飲子にも血流改善効果があるのですが、温経湯には「寒熱を調整して血液の偏在を改善する」+「血管を拡張させて血流を改善する」という働きがあるので、血流改善効果は温経湯の方が高いといえます。


温経湯の寒熱を調整して血液の偏在を改善するという意味を説明しますね。

人間の体の中では温かい場所に血液が集まり、逆に冷えている場所には血液が流れ込みにくいという性質があります(特に寒い時は)。気温が低く、足先が冷えている時って足の爪の色が紫っぽくなってますよね。温経湯には火照っている場所の熱を冷まし(主に胸部より上)、逆に冷えている場所を温める(主に下腹部や手足)という調整作用があります。芍薬や桂皮が全身の緊張緩和+血流改善を行い、牡丹皮、阿膠、麦門冬が熱を抑制します。さらに呉茱萸や芍薬が末端部に血流が移動するように促します。このような働きにより全身の寒熱や血液の偏在を改善します。


つぎに、温経湯の血管を拡張させて血流を改善する働きについて説明します

温経湯には漢方でいう瘀血(血流の悪化)や瘀血の原因になる冷えや血の不足を改善するという効果があります。特に活血薬と呼ばれる血流を改善する専門の牡丹皮や桂皮などの生薬が含まれているという特徴があります。これらの活血作用を主とする生薬は、当帰飲子には含まれていません。



では当帰飲子には血流改善作用はないのか?というとそんなことはありません。

当帰や芍薬、川芎、シツリシ、地黄などには血流改善効果があります。しかし、これらは温経湯に比べると少し弱いといえます。






さらに違うのは下腹部や末端部への血流改善効果


当帰飲子はざっくりとですが「体全体の皮膚」に薄く作用するのに対し、温経湯は下腹部や手足など「寒い時期に血流が低下して冷えやすい場所への血流量を大幅に増やす」という違いがあります。


先ほどご説明しましたが、温経湯には「寒熱を調整して血液の偏在を改善する」という働きがあるので、寒さによって冷えている場所は温め、逆に火照り気味となっている頭部の熱を冷ますという働きがあります。



この作用により

✅冷えによって発生している下腹部痛(生理痛)

✅寒さ+乾燥によって発生する手荒れ(主婦湿疹)

✅手足のしもやけ

✅冷えのぼせ(顔はのぼせて下半身は冷える)

✅冬になると発生するかかとのひび割れ

✅唇や口角のパックリ割れ

✅冷え+血流悪化による生理痛や無月経

などに用いられることが多くなります。



一方で当帰飲子は、血液や栄養を増やし、その増やした血液や栄養を体全体の皮膚粘膜に運ぶ+皮膚粘膜の炎症抑制+強化するという働きがあるものの、温経湯のように主に下腹部や手足などの末端部に作用するのではなく、全体的に作用するので

✅血不足(貧血や栄養の不足)がある方の広い範囲の肌の乾燥した痒み

✅血不足がある方の肌の弱りの改善(全身的、局所的どちらでもOK)

✅高齢者の乾燥肌

などに用いられることが多いです。





また、「止血作用のある生薬」の有無もある



温経湯には「阿膠」という止血作用のある生薬が含まれています。これにより、唇や手指のパックリ割れに効果を発揮することができます。パックリ割れをすると、体がその傷を治そうとして局所的に熱を持ちます。阿膠にはこの熱を抑制するという働きもあります。


当帰飲子には黄耆という生薬が含まれています。黄耆には「肌を元気にして強くして傷などの治りをよくする」という働きがあるので傷の治癒を早めるのに有効ですが、熱を持っている部位には用いないので、パックリ割れなどの深い傷にはあまり向きません(厳密には使ってもいいけど清熱剤も一緒に使いたい)。どちらかというと肌粘膜への血流を促して強くするという目的で含まれています。






まとめ



温経湯と当帰飲子は血を増やす(血液やエネルギーを増やす+そしてこれらの循環を改善する)という共通の効果があるので、漢方でいう血の不足が原因の乾燥肌を改善してくれるのですが、各々、上に説明したような違いがあるので、違いを踏まえた上で使うようにする必要があります。


最後に簡単にまとめますと

冷えや貧血傾向で栄養状態がよくないという状態があり、冷えのぼせ(顔はのぼせて下半身は冷える)や手足の冷え、手足の皮膚疾患(主婦湿疹など。手足に熱っぽさを感じる場合にも適応)、唇や目周辺の乾燥などの局部症状(パックリ割れ)がある場合には温経湯。


冷えやすい+体の線が細い+貧血傾向で栄養状態もよくないことや、肌が弱い(老化や血の不足によって)という状態があり、全体的+慢性的な乾燥肌や肌のかゆみ、肌の弱りがある場合は当帰飲子。

という違いになります。





本日は以上になります。

実際にお使いになる場合には専門家に相談してからとしてください。

自分は冷えていると思っていても、専門家からみると逆に熱が過剰になっているということもあります。


誰に相談したらいいか分からない…という方はぜひみやわき健康薬局まで。



よい週末を^^






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