風邪感染後のだるさの原因と漢方薬による対処法
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 10月3日
- 読了時間: 6分
こんばんは^^まだ暑い日がありますが、段々と秋という季節を感じられる時が増えてきました。汗をかかずに外を歩けるというのは幸せなことですね。
さて、今回のブログの内容は「風邪感染度のだるさの原因と漢方薬による対処法」になります。
風邪の感染後というのは多かれ少なかれ「だるさ」や「息切れ」、「変に暑い又は寒い」などの不調を感じる傾向にあります。先ほどお越しになられたお客さまも、感染から1か月経過するのにまだ心身が本調子ではなく、動くとだるさや息切れを感じると仰っていました。
今回はその原因と漢方薬による対処法についてご説明させていただきます。
風邪を引くことは人間の体にとって一大事

今でこそ「軽い病気」とされていますが(コロナ禍があったので見直されています)、古代〜中世の時代では医学や衛生環境が未発達で、風邪やインフルエンザが重篤化しやすく、肺炎・気管支炎で命を落とす人が多かったという現状があり、これらを含めて「風邪は命に係わる怖い病気であった」という歴史の方が圧倒的に長いというのが実情です。
なので、風邪に罹患すると脳が脅威を感じ、心身を緊張+体温を上昇させ、さらに心身に「休め」という信号を送ることによってだるさを作り出すという状況を比較的機敏に作り出すというメカニズムが定着しています。
特に「抗体を持っていない未知のウイルス」に対しては「体が全力でウイルスに対抗しようとする」ので症状が強く出るようになります。子供のころは「強い寒気を感じる全身に違和感を感じる風邪」をしょっちゅう引いていたのに、大人になったら喉の痛みだけになったという方が多いのはこのためです。
風邪への感染によってどのような反応が出るのか

風邪に感染している時の体はどのようになっているのでしょうか。
基本的には「ウイルスを撃退するために一生懸命になっている」になるのですが、それでは分かりにくいので詳細にご説明させていただきます。
✅風邪の感染による体内の変化
ウイルスを察知した体は自然免疫(広く浅く体全体に免疫を配る→病原菌の特定の役割も)を発動(インターフェロン、マクロファージ、NK細胞など)→自然免疫だけの場合は敵を特定できないので心身の反応及び炎症が激化しやすく、それによって感染後のだるさや後遺症が残りやすい
抗体を持っている病原菌ならば数日後に獲得免疫(ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞)がターゲットに攻撃を仕掛ける
体温を上げて免疫が活性化しやすい状況を作り上げる(炎症性サイトカインが体温調節中枢や自律神経に作用)
炎症性サイトカインの分泌によって炎症反応が激化→体力を免疫の活性に集中させるために心身に休めという命令がくだされる→体がだるくなる+眠くなる+ネガティブな感情が強くなる+食欲の低下などの症状が発生
このような反応が引き起こされています。
そりゃ、ひどく辛いわけですよね。
なぜ風邪が治った後も症状が続くのか

治ったあともだるさなどの不快症状が残る一番の原因は、「ウイルスと免疫との戦いで気道粘膜が傷ついている(炎症が生じている)から+戦いによって心身及び免疫が疲弊しているから」です。
当然、心身が万全な状態ではないので、単純にだるさや食欲不振などの不快症状が出ますし、また、免疫が万全ではないので、心身が持つ防御反応として心身がだるくなる(休ませるためにだるくなる)というのもあります。
さらに、心身に休め!という指令を送る「炎症性サイトカイン」の分泌もすぐに止まるというものではないので、残存しているサイトカインによってだるさや食欲不振が残ることがあります。新型コロナウイルスのように、未知の強いウイルスの場合は、ウイルスがいなくなった後もサイトカインが出続けることが報告されています。
当然ですが、気道の炎症やサイトカイン、心身や免疫の疲弊などは自律神経にも影響を及ぼしますので、様々な自律神経症状も発生します。
この感染後の不快症状に対して、漢方薬ではどのように対処するのか

症状や体質が異なるので一言で申し上げることができないのですが、なるべく簡潔に分かりやすくご説明させていただきます。
咽頭や鼻腔などに生じている炎症が緩和されないが故に、咳や鼻炎、味覚障害、嗅覚障害が続いている場合には小柴胡湯桔梗石膏(咽頭や上咽頭に痛みがある場合)、五虎湯(炎症+気道にむくみや痰がある時の咳)、辛夷清肺湯(鼻腔に炎症が生じていて乾きがあり、更に腫れがある場合)、荊芥連翹湯又は柴胡清肝湯(やや長引く鼻炎、副鼻腔炎、味覚障害、嗅覚障害)、麦門冬湯(体力の低下+息切れ+気道の乾きが生じている場合)、竹葉石膏湯(咽頭部の痛みや気道の乾きなどを伴う咳や胸の痛み)などが使われます。
サイトカインや自律神経の失調などによって、だるさや変な汗が出る、変に寒く感じる時がある、食欲不振などがある時は小柴胡湯(やや熱症状が強い+自律神経症状)、柴胡桂枝湯(やや冷えを感じる+自律神経症状)、柴胡桂枝乾姜湯(咳や胸の詰まった感じ+自律神経症状+不安感)、柴胡加竜骨牡蠣湯(胸満感+不安感+倦怠感)などが適応になります。
風邪罹患後にひどい倦怠感やだるさが続く、食欲がない、微熱が続くなどの症状で炎症性サイトカインの存在(頭重感、頭痛、夜間のめまい、起き上がれないほどのだるさ、関節痛、筋肉痛、脳疲労、イライラや不安感など)が伺えない場合には補中益気湯(だるさや体力低下の改善)、麦味参顆粒(息苦しい+胸が重い)、人参養栄湯(微熱+倦怠感+寝汗)、帰脾湯(不安感や不眠)などが使われます。
以上のプラスして、コロナ後遺症のように炎症性サイトカインが継続的に出続けている場合や炎症による損傷がひどい場合などは、炎症の抑制や精神の安定、自然治癒力の向上、心身のバランス調整などを総合的且つ長期に渡って行っていくようにしなければなりません。処方は多岐に及ぶために割愛させていただきます。
※漢方薬を服用する場合には必ず専門家の指導の下としてください。
以上になります。
説明した以外にも、ウイルス感染後に「細菌感染」が発生している場合(自分の体に生息している細菌が体力や免疫の低下によって増殖して感染)があります。鼻づまり、咳、黄色い痰、だるさ、微熱、食欲不振などが特徴なので、症状がひどく継続する場合(1週間以上)には専門医を受診するようにしてください。
風邪感染後のだるさや後遺症を発生させないためには(普段の生活として)「免疫のバランスを整える」ことが大事になるとされています。
✅その免疫のバランスを整える方法として
栄養バランスの取れた食事:免疫細胞の材料となるタンパク質、免疫機能を調整するビタミン(A、C、E、Dなど)やミネラル(亜鉛、セレンなど)、腸内環境を整える食物繊維などをバランス良く摂取
適度な運動:適度な運動は、免疫細胞の循環を良くし、免疫機能を健全に保つ
十分な睡眠:睡眠中に免疫細胞の修復や増強が行われるため、良質な睡眠は免疫のバランス維持に不可欠
ストレス管理:慢性的なストレスは自律神経を乱し、免疫システムのバランスを崩す
腸内環境の整備:腸内細菌は免疫機能に大きな影響を与えます。プロバイオティクス(発酵食品)やプレバイオティクス(食物繊維)を摂ることが有効
などが大事になります。
ぜひ参考にしてくださいませ。
それではよい週末を。
ご相談は直接お越しになる以外にも、お電話、メール、LINEなどで対応しております。ぜひお気軽にご利用くださいませ。 TEL 0299-82-6897(お電話の場合はすぐに対応出来ない場合があります。予めご了承くださいませ) mail miyawaki-kenkou@amber.plala.or.jp LINEはホーム→友だち→公式アカウント→「みやわき健康薬局」で検索してメッセージ下さいませ



コメント