原因不明の発熱に加味逍遙散が効くのはどんな時?
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 3 日前
- 読了時間: 5分
更新日:2 日前
こんばんは^^ 本当に、この時期の急激な寒暖差は体にこたえますよね……!つい数日前まで「もう真夏なの?」というくらいの暑さだったのに、今日のような強い冷風に晒されると自律神経もびっくりしてしまいます。冷やして風邪をひかないように今夜はいつも以上に温かくしてお過ごしください。
今日は「原因不明の発熱に加味逍遙散が効くのはどんな時」というお題でブログを書いてまいります。
原因が分からない発熱の相談は漢方薬局ではよくあります。
◆病院に行ったけど、原因が分からないといわれた
◆風邪の症状はないのに夕方になったら体温が上がる
◆体温がはちょっと高い程度なのに火照りやのぼせが続く
など、様々なケースがあります。
今回は原因不明の発熱に加味逍遙散が効くのはどんな時なのか、について分かりやすくご説明させていただきます。
加味逍遙散が効果を発揮する発熱はズバリ「ストレス」が原因の時

加味逍遙散がどのような薬なのかを知っている方は想像がついたと思います。
加味逍遙散は代表的なストレス緩和作用のある薬。清熱作用や疎肝作用(緊張を緩和させる)などによって緊張や興奮状態を緩和させ、心身をリラックスさせるという働きのある漢方薬になります。
ではなぜこの心身をリラックスさせる加味逍遥散が発熱に効果を発揮するのでしょうか?
その理由はストレスにて 自律神経の乱れや炎症性サイトカインの変動、脳の体温調節中枢への影響などが引き起こされて発熱や熱感が生じることがあるからです。
✅ストレスにて体温が上がる理由(人によって反応が異なる)
ストレス状態になると交感神経が優位となり熱生産が過剰になる
ストレスによって脳の体温調節機能が狂ってしまい体温が上がる
ストレス時には炎症性サイトカインの分泌が盛んになるので体温が上がりやすくなる
✅ストレスによって引き起こされる発熱の特徴
午後〜夜に熱っぽい
病院の検査では異常が少ない
ストレスを感じる時に悪化
休日や安心時などのストレス緩和時に軽減
✅ストレス状態になっている時の症状
生理前に胸が張りイライラする
イライラや不安感を強く感じる
みぞおちの張りや喉のつまり感がある
動悸や不眠などがある
ため息が多い
頭痛が出やすい
✅ストレス状態にさせてしまう生活
精神的ストレス
過労
睡眠不足
過剰な情報刺激(スマホなどによる刺激やマルチタスク)
長時間の緊張状態
血糖値の乱高下
慢性炎症(歯周病、肥満、腸内環境の悪化、鼻炎、上咽頭炎など)
過度な身体監視
アルコールやカフェイン、辛いものの過多
孤独
加味逍遙散が効果を発揮するメカニズム

✅加味逍遙散に配合されている生薬と効能
当帰:血を作り心身を温め血流をよくする
芍薬:血を養い、緊張を緩和させながら痛みを止める
白朮:胃腸の働きをよくし、余計な水分を除く
茯苓:体内の余分な水分(湿)を除き、脾胃(消化器)を整え、精神を安定させる
柴胡:肝気の滞りを解き(ストレス状態を緩和させ)、熱を抑制させ、気の上昇を助ける
牡丹皮:血の熱を冷まし、血の滞り(瘀血)を除く
山梔子:煩躁(焦燥感)を除き、湿熱(余計な水分と熱)を除去する
以上から、加味逍遙散には血を補う、ストレス状態を緩和させる、胃腸の働きを整える、余計な熱を取り除く、血の流れをよくするという働きがあるということがわかります。
ストレス状態の緩和は脳の緊張だけ緩和させればいいというものではありません。体側の末梢神経(血管や内臓)にも作用して脳の緊張を取り除くことにより、ストレス緩和効果を高めることもできます。また、ストレス性の発熱のように「余計な熱」が発生している場合には、それを冷ますことによっても脳の興奮や緊張を緩和させることができます。
加味逍遙散はこのように脳神経及び末梢神経に作用(血流をよくする、内臓や筋肉の緊張を解く)してストレス状態を緩和させるという特徴があります。
まとめると
ストレスに加え
胃腸が弱い
貧血傾向である
エネルギー不足
熱症状が強い(のぼせや動悸、火照りが強い)
という症状がある方に加味逍遙散は適応になるということですね。
結論
加味逍遙散は「ストレスを感じている場合の発熱」に効果的ですが、その理由だけで使うのは3流です。先ほど説明した通り、加味逍遙散は胃腸が弱く、貧血傾向があり、エネルギー不足傾向な方のストレス+発熱に適応になります。このように何が合っているかはその人によって異なりますので、専門家に相談してから用いるようにしましょう(ストレスによる発熱には、その他大柴胡湯や柴胡加竜骨牡蛎湯、黄連阿膠湯、抑肝散加陳皮半夏などの漢方薬が適応になることから、専門家でないと適切な処方を選ぶことができない)。
現代医学にて原因不明とされる発熱には、その他として瘀血(血流の悪化)によるもの、中気(胃腸の機能低下)不足によるもの、血虚(貧血+エネルギー不足)によるもの、陰虚(水分保持力の低下)によるもの、湿熱によるものの全部で6種類の原因があります(ストレスも加え)。今回説明したように、各原因の中でさらに細分化され適応になる薬が違ってきますので、利用する際には必ず専門家に相談してからとしてください。また、薬を用いるだけでなく、生活習慣の改善も大事になりますのでそちらも併せて対策していかなくてはなりません。
今回は以上になります。よい週末を^^
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