田七人参ってどんな中薬なの?
更新日:4 日前
こんばんは^^今日は朝から気持ちよく晴れてくれましたね。気温も少し暑かったですが、爽やかな感じで過ごしやすかったです。
スポーツの秋
食欲の秋
芸術の秋
などと言われる所以が何となくわかりますね。
さて、今回のブログの内容は「田七人参ってどんな中薬なの?」になります。
皆さん田七人参って知ってますか?
人参(オタネニンジンや高麗人参)という生薬なら知っているけど、田七人参はよくわからない…という方が多いのではないでしょうか。
今日はそんな田七人参について掘り下げてご説明してまいりたいと思います。
※田七人参は日本では健康食品扱いなので、効能効果を謳うことはできません。今回のご説明は中国で説明されているものを取り上げています。予めご了承くださいませ。
田七人参には多種多様の効果があるとされています

田七人参には多種多様の効果があるとされています。かなり難しく、私どもも難儀しています。
✅中国の研究で分かっている田七人参の効果
止血作用(血小板機能の調節)
抗炎症作用
むくみに対する作用
痛みの軽減
全身に発生した腫れを鎮める
血流の改善
血管内皮保護作用
組織修復への作用
心臓の働きを助ける作用
順番に説明しますね。
①止血作用(血小板機能の調節)
メインの働きになります。外傷や打撲による内出血、胃潰瘍、月経過多、痔の出血など、身体の内外の出血に対して止血作用を発揮するというのがメインの働きです。
田七人参にはデンシチンという血小板を活性化させるという働きがあり、それによる止血作用及び血小板による血管収縮作用(血小板の活性や血管の収縮は炎症反応が強いと高くなるという特性があります)、抗酸化物質による活性酸素の抑制などによって効果を発揮します。
※ただし、田七人参には血管拡張や血管内皮保護に関係する成分も含まれているため、実際に服用した際の血管反応は単純ではありません。
②抗炎症作用
田七人参には、炎症性サイトカインや酸化ストレスなどの炎症を発生させる要因を抑制するサポニン類が豊富に含まれています。この働きにより、肝炎や内膜症などの炎症性の疾患に用いられています。
③むくみに対する作用
田七人参には、抗炎症作用や抗酸化作用、血管内皮保護作用を持つ成分が含まれています。
これらの働きによって、炎症による血管透過性の亢進(水分やタンパク質が血管外へ漏れ出しやすくなる状態)を軽減し、炎症性のむくみを抑える可能性が考えられます。また、血管や皮膚粘膜を強化する働きもあるので、立ち仕事などによるむくみの軽減にも役立ちます。
④痛みの軽減
血流改善作用や抗炎症作用により、打撲や炎症などによる腫れを改善することによる痛み軽減作用及び、サポニンによる痛みを感じる神経系そのものへの痛み緩和作用があるとされています。
⑤全身に発生した腫れを鎮める
血流改善作用や止血作用、抗炎症作用により、打撲や炎症などによる腫れを改善する効果を持ちます。
⑥血流の改善
①にて血小板の機能を高めて止血作用を高めるという説明をしました。血小板の活性化に伴い、血管収縮性物質が放出されるので、本当に血流改善効果はあるの?と不思議に思うのが普通だと思います。
しかし、田七人参には血管の拡張や血流の改善作用、さらに血管の健康維持に働くサポニンを含んでいるという特徴があります。デンシチンという血小板活性及び血管収縮作用のある成分が含まれている一方で、全身の血流を改善するという効能もあるということになります。
とはいえ、体内に炎症や酸化ストレスが多い状態の場合には、血管が収縮の方向に向かいやすくなるというのがあるので、その辺を把握して使う必要が出てきます。
⑦血管内皮保護作用
田七人参には、血管内皮細胞を酸化ストレスや炎症から守り、血管の正常な働きを維持する作用が、主に細胞・動物実験で報告されています。特に重要なのは、田七人参に含まれるノトジンセノシドR1、ジンセノシドRg1、Rb1などのサポニン類です。また、コラーゲンの分解抑制・細胞外基質の保護作用もあるとされており、その働きについても研究が進められています。
⑧組織修復への作用
田七人参の組織修復作用は、単なる抗炎症作用にとどまりません。炎症を抑える、細胞を保護する、線維芽細胞の働きを調節する、コラーゲンを形成する、血管新生を促す、過剰な瘢痕形成を抑えるという、修復過程の複数の段階に作用する可能性があるとされています。
⑨心臓の働きを助ける作用
田七人参には、心筋への血液供給を改善し、心筋の酸素消費や炎症・酸化ストレスを軽減することで、心臓の働きを支える可能性があります。重要なのは、単に心臓を刺激して拍動を強めるのではなく、心臓の負担を軽減しながら機能を維持する作用が考えられることです。
このような素晴らしい効能がある反面、気を付けたい面もある

先ほども申し上げましたが、田七人参にはデンシチンという止血を促す成分が含有されています。この作用は主に血小板の働きを高めることによります。通常、血小板の働きが強まると、血管に作用して「収縮方向に向かわせる」というように働きます。
要するに、田七人参には血管を収縮させるという働きがあるということですね。
慢性炎症や酸化ストレスが強い状態では、血小板が活性化しやすくなったり、血管を拡張させる一酸化窒素(NO)の働きが低下したりすることがあります。そのため、デンシチンの血小板活性化作用が、このような状態でどのように現れるのかは、注意して考える必要があります。※ただし、炎症や動脈硬化のある人では必ず田七人参による血管収縮が強くなると証明されているわけではありません。
このようなリスクがあるものの、一方で血流改善作用により打ち消す要素もあることや、体内にて炎症や酸化ストレスが多くない状況や動脈硬化が進んでいないケースでは血管へのリスクが生じにくくなり、逆にメリットを多く享受できることを踏まえて考える必要があります。
また、血管収縮は止血、抗炎症作用という効果を得るための必要な効能であることも忘れてはなりません。
以上のように考えると一気に使い方が難しくなりますよね。薬性なども「温(体を温める性質)」なのでその辺も考えなければなりません。よって、複雑な場合には田七人参単味では用いずに、病態や体質、併用薬を確認し、使用の適否を慎重に判断するというのが常となっています。
今回は以上になります。
ちょっと難しかったと思いますが、精いっぱいやさしく平易にご説明させていただきました。私の経験による考えも入っているので間違いもあるかもしれませんが、どうぞ参考としてくださいませ。
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