生理痛の原因と中医学における改善法
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 10月10日
- 読了時間: 9分
こんばんは^^台風が過ぎ去ってから急に空気が夏から秋に入れ替わったような感じがします。ここから12月中旬くらいまでは一気に気温が変化していきますので、その時々に見合った服装や寝具、室温を調整するようにして健康を守ってまいりましょう。
さて、今回のブログの内容は「生理痛の原因と中医学における改善法」になります。
NHK 生理リサーチ(日本人女性約2万人対象)では、生理痛で悩んでいる人の割合は74%。ツムラが行った調査(2022年、10〜40代男女15,000名対象)では約60%(症状が理解されず辛い思いをした割合)が生理痛があるという結果がでています。
以上のようにかなりの方が悩まれている「生理痛」の原因を対処法についてご説明しますね。
生理痛の原因と中医学による対策法

✅生理痛の原因は全部で8つ
プロスタグランジンの分泌過剰
子宮や骨盤の血流不良
子宮やホルモンのトラブル
精神的ストレス
子宮内免疫の低下
子宮口の未熟さ
貧血(漢方でいう血虚)や心身の弱り
過剰な熱やむくみ(暴飲暴食やストレス、不潔)
以下、痛みの発生メカニズムと改善法についてご説明します。
①プロスタグランジンの分泌過剰
生理のとき、子宮内膜が剥がれ落ちる際にプロスタグランジンというホルモン様物質が分泌されます。これは「子宮を収縮させて血を出す」ために必要です(血液が排出されやすくなる)が、多すぎると子宮が強くけいれんして「ズキズキ・キューッ」という痛みを起こします。
プロスタグランジンが多くなってしまう要因はストレスや冷え、睡眠不足、内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの子宮周辺の疾患などになります。
中医学による対策法
原因によって対策方が異なります。ストレスの場合はストレス緩和(逍遥散や柴胡疎肝湯など)、冷えの場合は冷え対策(当帰芍薬散や婦宝当帰膠など)、睡眠不足の場合は睡眠時間を増やす、内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などは各々見合った改善法を用います。
②子宮や骨盤の血流不良
長時間の座り姿勢や冷え、運動不足、貧血、ストレスなどで骨盤内の血流が滞ると、子宮の酸素供給が不足して痛みが強まります。特に冷え性の方は、子宮周囲の筋肉がこわばりやすくなり痛みが悪化する傾向があります。
中医学による対策法
血流の悪化は先ほどご説明したように原因が異なります。普段より運動不足やストレスがある方や血が足りない方、冷えやすい方などは血流が悪化しやすくなりますので、生活習慣及び漢方薬によって改善するようにしましょう。
◆運動不足+筋力不足→症状:疲れやすい、元気がない、顔色が悪い、食欲もいまいち→適度な運動を心がける+過労などに注意する【人参養栄湯、帰脾湯、補中益気湯】
◆やせ型で貧血気味→症状:顔色が悪い、生理の量が少ない、月経の後半でシクシクとした痛みが下腹部に出る→バランスを重視しながらタンパク質をしっかり摂る【当帰芍薬散、婦宝当帰膠、コンクレバン】
◆ストレスを強く感じていてイライラや不安感がある→症状:月経前に胸の張りやむくみ、イライラがでやすい、月経前半の生理痛、偏頭痛がでやすい【四逆散、加味逍遙散、柴胡疎肝湯】
◆心身の冷えを伴う生理痛→症状:冷えると痛みが強くなる、手足やお腹が冷えやすい、月経が延長しやすい【当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰芍薬散、温経湯】
③子宮やホルモンのトラブル
子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などの子宮のトラブル及び、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンバランスの乱れ(自律神経やストレスの影響)などがあると、生理痛が強くなってしまうことがあります。
子宮内膜症は腹腔内という内膜が存在すべきではない場所に内膜が移動してしまう病気です。子宮ではない場所にて増殖消褪を繰り返すことから、その場所に炎症が発生して痛みます。
子宮腺筋症は子宮内膜に似た組織が子宮の壁(筋層)に侵入して増殖し、生理のたびにそこで出血して筋肉を刺激することから強い痛みが生じます。
子宮筋腫では、主に子宮の内部が変形して経血量が増加したり、子宮の収縮が強くなったりするために痛みが強くなります。特に、筋腫が子宮の内側に向かって大きくなることで、子宮内膜の表面積が広がり、過多月経を引き起こします。
ホルモンバランスが乱れ(主にストレスや過労などで乱れます)ると、子宮内膜が厚くなり、プロスタグランジンの分泌量が増加し、子宮の収縮が強まることで生理痛が強くなります。
中医学による対策法
子宮内膜症の原因はよくわかっていませんが、ストレスによる頸部の収縮→経血が逆流→卵管を通って腹腔に移動しているという説が有力です。その説に従い、頸部の過剰収縮を抑制させる漢方薬(芍薬甘草湯や安中散)や血液の流動性を改善する漢方薬(桂枝茯苓丸、芎帰調血飲第一加減)、さらに腹腔に飛び散った内膜の貪食を高める漢方薬(各種黄耆製剤+活血剤、各種キノコ製剤)を用いることで対策できています。
子宮腺筋症はエストロゲンが多い(代謝する肝機能に問題がある可能性やストレス)、帝王切開術や子宮内膜掻爬術などの手術、出産や流産の経験などに関連するとされています。当店では肝臓の代謝を助けるための柴胡剤やキノコ製剤、さらに子宮周辺の血流を改善する血流改善薬(桂枝茯苓丸や芎帰調血飲第一加減、加味逍遙散(ストレスが伺われる場合)などを主におすすめしています。また、気血両虚(心身の弱りや貧血)や子宮内免疫(炎症が強くなることがある)なども関与していることもあるので、そちらの改善も行っています。気血両虚には帰脾湯や人参養栄湯、子宮内免疫についてはバイタレジーナやキノコ製剤(シベリア霊芝)などを用います。
子宮筋腫は生理の回数が多い(出産経験が少ない)ことや、エストロゲン過多(出産経験が少ない又は代謝する肝機能が弱い)、更に遺伝子異常などが関与しているとされています。漢方では腫瘤の改善に役立つ田七人参や肝機能をサポートするキノコ製剤や柴胡剤などが用いられています。
ホルモンバランスに関しては主にストレスや過労、その他、冷えや貧血などによる血流障害などが関与しています。各々、原因によって異なりますので、何が原因で乱れているのかを突き止めて対策していくようにします。
④精神的ストレス
すでに今まで何度も登場している精神的ストレス。
ストレスや不安が続くと交感神経が優位になり、血管が収縮して血流が悪化することにより痛みを感じやすくなります。また、「痛みに注意が向く」ことで神経過敏になり、痛みが強く感じられるというのも原因になります。(※その他にも他で説明している通り様々な理由にて生理痛を引き起こす原因になります)
中医学による対策法
ストレスから遠ざかる、運動や趣味に没頭するなどのストレス解消を積極的に行うと共に、柴胡疎肝湯や加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏などのストレスを緩和させる漢方薬を服用することが改善法になります。
⑤子宮内免疫の低下
子宮(子宮内膜)の局所免疫が乱れると、炎症や過剰反応が起きやすくなり、痛みや異常出血などにつながります。細菌感染や免疫低下によって子宮内膜が慢性炎症状態になり、生理痛・不正出血・着床障害などの原因になることが分かっています。最近の研究では「不妊・流産の一因」にも関与するとされています。
中医学による対策法
子宮内の免疫は体全体の免疫の活性や、局所的な血流の良し悪し及び冷え、そして腸内環境の良し悪しなどによって決まります。例えば胃腸が弱く、それによって体全体の栄養状態が悪い場合には、六君子湯などで改善するといった対策法が必要になります。また、冷えやストレスなどで子宮周辺の血流が悪化している状態だと、局所的に免疫の活性が低下していることになりますので、芎帰調血飲第一加減や温経湯などにて血液の流れを改善すること、さらに腸内環境の悪化は子宮内環境の悪化につながりますので、食事の内容の見直しや胃腸の機能の良し悪しなどを確認しつつ、バイタレジーナなどの腸内環境改善サプリを用いるようにするなどの方法をとります。
⑥子宮口の未熟さ
初潮から若い世代では、子宮口が狭く未熟であるために経血が排出しにくく、子宮の強い収縮を招き、痛みを強く感じることがあります。
中医学による対策法
血液の流動性を改善する(桂枝茯苓丸や芎帰調血飲第一加減など)や子宮頸部の緊張を緩和させる(安中散や桂枝加芍薬湯など)を対症療法的に、その人の体質をみながら行っていくようにします。
⑦貧血(漢方でいう血虚)や心身の弱り
西洋医学でいう貧血や漢方でいう血虚(体全体に対する血液や栄養の不足)、心身の弱りなどがあると、子宮周辺の血流が悪くなることや、子宮及び周辺を栄養で満たすことができにくくなるので、月経後半にシクシクとした生理痛が発生しやすくなります。その他、めまいや立ちくらみ、動悸、むくみ、冷え、顔色が悪いなどが付随しやすい傾向にあります。
中医学による対策法
食事を全体のバランスを考えながらたんぱく質をしっかり摂るように心がけます。そうした上で胃腸が弱く栄養を吸収できないならば胃腸の働きを高める漢方薬(六君子湯や補中益気湯など)を用い、胃腸に問題がなく月経による損失が原因の場合には婦宝当帰膠や当帰芍薬散などの補血薬、性ホルモン及び全身の活性に問題が生じている場合には地黄や鹿茸が入った補腎薬などを考えていくようにします。
⑧過剰な熱やむくみ(暴飲暴食やストレス、不潔)
暴飲暴食や精神的ストレス、飲酒、辛いものやあぶらっこいものの過剰摂取、肥満、陰部が不潔(不潔な性行為や月経時の性行為なども含み)などがあると、子宮及び周辺に炎症や過剰な熱が発生し(中医学でいう湿熱)、経血の流れを悪化させるので生理痛が発生します。
中医学による対策法
暴飲暴食やストレス、飲酒過多、辛いものやあぶらっこいものの過食などがあれば、まずこちらを改善します。そうした上で、こちらの各々の体質や症状別になりますが、インチン五苓散や竜胆瀉肝湯、大柴胡湯などの漢方薬にて余計な熱や炎症を改善していくようにします。
今回は以上になります。
生理痛で悩みご来店される方はかなり多いですが、以上のような原因をしっかり理解して対策することでほとんどのケースはお客様が納得いただけるような結果を出すことができます。
たまに痛くなる程度で、深刻な原因でない場合には痛み止めでもいいと思いますが、生理痛が重く、また他の症状も付随している(冷えや体力低下、ストレスによるメンタルの不安定など)場合や、妊娠を希望される場合には漢方薬や中医学の知恵による養生法を取り入れた方が間違いありません。お悩みの方はぜひご相談くださいませ。
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