水分をやや多めに摂ると気持ち悪くなる人の体の中で起きていること
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 7月11日
- 読了時間: 7分
こんばんは^^かなり涼しくなりましたね。今日の最高気温は23℃。5月中旬又は10月中旬くらいの気温となっています。このくらいがいいですよね。
さて、今回のブログのタイトルは「水分をやや多めに摂ると気持ち悪くなる人の体の中で起きていること」になります。
昨今の夏は半端なく暑い!
熱中症予防に水分の需要も増える!
でも、
「ちょっと多めに飲むとお腹が気持ち悪くなる…だから飲めない…」
という状況となり、熱中症が心配になるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
実際の店頭の相談でも多い相談内容となります。
今回はこの状況がなぜ作り出されるのかについてわかりやすくご説明させていただきます。
水分を摂りたいのに摂れない…

夏になるとニュースなどで連日のように「こまめな水分摂取を」と聞きますよね。
それもそのはず、軽度の脱水(体重の1%程度の水分減少)でも、運動能力や集中力が低下して熱中症になりやすいという関係性があるからです。
重度の脱水になると、めまい・筋肉のけいれん・意識障害・けいれん・死亡など重篤な症状に発展することも。
また、口から摂取してから平均で20分後に体液に変わるというのがあるので、喉が乾いてから水分を摂取するのでは遅い場合が多く、特に小児や高齢者では「喉の乾きを感じにくい」というのがあることから、普段よりこまめに水分を摂取することが推奨されています。
このように、熱中症及び夏の体調維持に大事な水分ですが、人によっては「飲みたいのに飲むと気持ちが悪くなる」「吐き気が出てしまう」「飲むと食欲が減退する」などの不快症状が出て摂ることができない…というケースが。
当然ですが、体内の水分量が減少してしまうことから、脱水傾向となってしまい様々なリスクが生じるという状況になってしまうので、改善できるものであるならば改善しなければなりません。
水分をやや多めに摂りたいのに摂れない、という状況の時に体内では何が起こっているのか?

✅水分を摂りたいのに摂れない原因
胃腸の機能が低下している
肺の機能が低下している
全身の衰弱や弱り、老化、冷え(病気含む)
過度のストレス
順番に説明しますね。
①胃腸の機能が低下している
当然ですが、胃腸の機能が低下していると飲食物を消化して吸収することができないので、摂取した水分が吸収されずにいつまでも胃腸の中に残っています。また、摂取した際にも胃腸の動きが悪いので水分を下方に運んでくれません。これらにより、飲みたいのに飲めないという状況になります(胃の中がすぐに満タンになってしまう)。
症状としては食欲不振、お腹がチャポチャポ言う、喉が渇いているのに水分を受け付けない、軟便~下痢、吐き気がする、腹が張るなどの症状になります。
対策としては火を通した消化の良い(脂っこいものはNG)ものをよく噛んで食べる、冷たいものは飲まない、食べない(冷たい水分、刺身、サラダ、ヨーグルト、アイスなどは✖)ようにしながら、冷房による冷えや暑さによる体力の消耗にも注意するようにしながら、温かいご飯やハト麦、冬瓜、ジャガイモ、大葉、生姜(薬味として)、山芋、人参、大根、豆類、卵、白身魚、鶏肉などを意識して摂るようにしましょう。その他、規則正しい生活習慣やたっぷりの睡眠、入浴で心身を温める、手足をよく動かす、適度な運動でストレス対策するなども大事になります。
漢方薬では平胃散や五苓散、六君子湯、補中益気湯などがよく用いされます。
(※実際に服用する際には漢方の専門家に相談してからにしてください)
②肺の機能が低下している
体内の二酸化炭素を吐き出し、酸素を取り入れる肺の機能が弱っていると、二酸化炭素と酸素の交換がうまく行われなくなります。心身の全ての細胞は酸素によってエネルギーを生み出していますので、その酸素が不足すると全身の活性が低下してむくみやだるさ、胃腸の機能低下などの症状が発生しやすくなります。このように全身の活性が低下するので、当然、胃腸の働きも悪くなり、また水分代謝も低下するので水分を摂りたいのに摂れない…という状況が作り出されます。
症状としては胸が苦しい、ちょっと動いたら息切れがする、動悸がある、手足がだるい、手足がむくむ、集中力の低下、あくびが多い、多汗、寝ても疲れが取れないなどになります。
対策としては呼吸筋を適度に鍛える(自分に合った運動を適度に行う)、ストレッチを日課とする、疲れている場合にはしっかり休むようにする、貧血の改善、換気と深呼吸を適度に行うなど。
漢方薬では麦味参顆粒、補中益気湯、衛益顆粒、冬虫夏草などがよく用いられています。
(※実際に服用する際には漢方の専門家に相談してからにしてください)
③全身の衰弱や弱り、老化、冷え(病気含む)
全身が衰弱したり弱ったりすると、当然のことながら水分の入り口である胃腸や全身の水分代謝などの活性も低下します。また、心身の活性が低下すると心身も冷える傾向があるため、水分代謝が低下して「水が余りやすく」なります。以上から、胃腸が水分を受け付けにくくなる+体全体の水分代謝が低下するので摂りすぎると水分が余るという状況が作り出され、結果として「水分を摂りたいのに摂れない」という状態になります。
症状としては疲れやすい、すぐに横になりたくなる、体温が低い、食事の量が減少する、疲れやすい、むくみやすい、動悸息切れ、精力の低下など。
対策としては暑すぎる環境や寒い環境を避ける、過労や寝不足はしない、食事はバランスを重視して軽い運動を日課とする(その人によって調節)など。黒ゴマ、昆布、黒豆、ヒジキ、山芋、クルミ、栗、ナツメ、羊肉などを全体のバランスを考えながら意識して摂るようにすることも改善につながります。
漢方薬では八味丸、杞菊地黄丸、五苓散、人参養栄湯、補中益気湯などがよく用いられています。(※実際に服用する際には漢方の専門家に相談してからにしてください)
④過度のストレス
過度のストレスがあると自律神経が乱れますので、自律神経の制御で動いている胃腸の働きも乱れます。胃腸の働きが乱れると、水分や食べ物の消化吸収に問題を発生させますので、水分を摂りたいのに摂れないという状況が作り出されます。
症状としてはイライラや不安感などが強く出る、みぞおち辺りが苦しく感じる、喉の詰まり感がある、下痢と便秘が繰り返される、不眠気味、食欲にムラがある、肩こりや背凝りがひどいなど。
対策としてはストレスから遠ざかる、積極的に運動や趣味に没頭するなどのストレス対策を行う、入浴やストレッチで心身をほぐす、セロリや三つ葉、春菊、柑橘系などの香りの強い食材を摂る、合谷・内関・百会などのツボ押しなどを行う、過労しないなど。
漢方薬では柴胡疎肝湯、逍遥散、半夏厚朴湯、抑肝散加陳皮半夏などがよく用いられています。(※実際に服用する際には漢方の専門家に相談してからにしてください)
今回は以上になります。
水分を摂りたいのに摂れないという不快症状には「急性」と「慢性」とがあります。急性では熱中症や夏バテ、食中毒、冷え腹、風邪、急なストレスなどがあり、慢性では胃腸虚弱、老化や病気による心身の弱りや衰弱、肺の機能低下、慢性的なストレスによる自律神経の乱れなどがあります。
今回はやや慢性よりの内容となりますので、上記の4つの説明にプラスして、急性的な原因を加味しながら対策するようにすると万全になります。
気になる方はぜひご相談くださいませ。
それではよい週末を^^
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