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柴胡加竜骨牡蠣湯と桂枝加竜骨牡蛎湯の違い

  • みやわき健康薬局  宮脇 崇
  • 1月16日
  • 読了時間: 5分

こんばんは^^今日は気温が高かったですね。いくら季節が前倒しになっているからといって、1月中旬から春先のような気候になるとは…。ちょっと驚いちゃいますよね。



さて、今回は柴胡加竜骨牡蠣湯と桂枝加竜骨牡蛎湯の違いについてご説明させていただきます。この両者、名前がとてもよく似ていますよね。頭についている「柴胡」と「桂枝」が異なるだけで、そこから下は全部同じ。なので、この2つ、似てるけど何が違うの?と気になっている方が多いのではないでしょうか。


よく柴胡加竜骨牡蛎湯は柴胡や大黄が含まれている(大黄が含まれていない処方もあります)ので実証向け(体力が充実している人)、桂枝加竜骨牡蛎湯は虚証向け(体が弱い人)などといわれていますが、もうちょっと細かくご説明させていただきます。





両方共に精神を落ち着けるための処方


最初から結論をご説明しようと思ったのですが、こちらの説明は順を追って説明した方が分かりやすいと思ったので、一つずつご説明させていただきますね。


まず覚えていただきたいのが、柴胡加竜骨牡蠣湯も桂枝加竜骨牡蛎湯も「精神を落ち着けるための処方」になります。両方に共通して配合されている「竜骨、牡蛎、桂枝、大棗」には精神を安定させるという働きがあるからです。


特に竜骨牡蛎には安神(精神状態を安定させる)、平肝(興奮しすぎた神経・感情を落ち着かせる)といった働きがあるので、精神安定効果が強い生薬といえます。


以上のような理由により、両処方ともに精神を安定させる働きがあるということを覚えておきましょう。





「なぜ精神が安定しないのか」という原因と、「精神が安定していない時の状況の違い」が両者の使い分けになる


柴胡加竜骨牡蠣湯にはオウゴンや柴胡、大黄(大黄は含まれていない処方もある)といった清熱作用のある生薬が含まれているので、「熱」の存在が伺えるケースに適応になります。


イライラして顔や目が赤くなる、ストレスに動悸や頭痛が伴う、のぼせ+胸や脇が張って苦しい、あれこれ頭に浮かんできて眠れない(中途覚醒ではなく入眠困難が強い)など、胸部や頭部に熱が入っている(漢方では心肝火旺)又は血液が集まっている+緊張(のぼせや頭痛、ストレス時に動悸が出る、血圧上昇、胸周辺の張り感)という症状に適応になります。


そして、胃腸薬が配合されているので、「ストレスによって胃腸の働きが悪くなり、それによって膨満感が生じ、その膨満感が抹消神経を通じて不快刺激を脳に与えている」という状況の改善を行うことによっても、精神を安定させるという効果を発揮します。


これは説明するのが難しいですが、胃腸に飲食物が停滞している状態(暴飲暴食やストレスによる働きの抑制、熱過剰)だと、全身の血流の悪化や停滞している飲食物による不快刺激により、脳神経が過敏になるという状況が作り出されます。この状況を改善するために消化不良及び熱や水分の停滞を改善する生薬が配合されています。




一方で桂枝加竜骨牡蛎湯には柴胡加竜骨牡蠣湯とダブって配合されている生薬意外に、芍薬や甘草といった血液や体液を増やす処方が配合されていて、且つ、オウゴンや柴胡、大黄などの清熱作用のある生薬が配合されていないのが特徴です。


別の見方をすると、桂枝湯という体の虚を補いながら温め、さらに風邪の初期・自律神経の乱れに適する処方が基本となっており、そこに竜骨牡蛎という精神安定作用のある生薬が配合されています。


以上をまとめると、体が冷え傾向で疲れやすい傾向がある方の精神不安に用いるという処方といえます。


中医学の教科書には虚陽浮越という「体力の低下(過労や老化、栄養状態の悪化、貧血など)」があると脳の刺激闘値の低下(刺激やストレス、環境の変化などに弱くなる)を招き、不安感や不眠(中途覚醒や寝ているけど寝た気がしないなど)、動悸(体力の低下時に出やすい)、中高年の夢精、性的な夢を見るなどが出やすくなる症状に対して、桂枝加竜骨牡蛎湯が適応になると書かれています。


こちらも、実際の店頭にて桂枝加竜骨牡蛎湯が適応になる症状の一つなので、有効な見分け方だと思います。



※両者に含有されている胃腸薬に関しては、柴胡加竜骨牡蠣湯はストレスが強いが故に機能が抑制されている+飲食物の停滞や熱による不快刺激の改善として用い、桂枝加竜骨牡蛎湯は先天的及び全身の活性低下によって機能が低下や栄養状態の悪化がある場合の改善として用いるという違いがあります。





以上のように細かく分析すると使い分けは意外に難しい


皆さん理解されたかな?

それともますます混乱しちゃいましたか??


私はまとめて分かりやすく説明するのがどうも下手で、全て書いてしまうという癖があります。端折ってまとめればいいのですが、それだと自分自身を納得させることができないので、申し訳ございませんが細かい説明になってしまいます(これでもだいぶ端折っているのですが…)。


最後にまとめると

柴胡加竜骨牡蠣湯はストレス(風邪罹患時にも)によって脳の緊張・興奮+胸部より上の張り感やのぼせが強く出ている場合に用いる

✅桂枝加竜骨牡蛎湯は根底に心身の弱り(冷えや体力の低下、老化、過労、胃腸虚弱や先天体質による栄養状態の悪化、貧血など)がある方の、やや慢性的な精神不安や興奮状態の改善に用いる


といった違いがあります。




今回は以上になります。

ぜひ参考にしてくださいませ。


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