加齢と共に「めまい」が生じやすくなる原因と対策
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 3月21日
- 読了時間: 6分
こんばんは^^朝から穏やかな春の陽気となりましたここ鹿嶋市です。明日はもっと気温が上がり、最高気温は21℃くらいになるという予報が出ています。お出かけ日和になりますね。
さて、今回は「加齢と共にめまいが生じやすくなる原因と対策」というお題でブログを書いてまいりたいと思います。
めまいというと、内耳のリンパ液の増加で発生するメニエール病や半規管内に耳石が迷入することで生じる良性発作性頭位めまい症などの耳に原因がある場合や、脳梗塞や脳腫瘍などの脳に原因がある場合、さらにストレスや睡眠不足などの生活習慣が原因になる場合(血流障害がめまいの原因になります)などがありますが、更年期や加齢など「老化現象」によって発生する場合もあります。
今回は加齢によって発生する場合で、脳梗塞や薬の影響など原因がはっきりわかっているものではなく、病院の検査でよくわからないとされるめまいの原因についてご説明します。
原因の多くは加齢により平衡感覚を保つ場所の機能が低下するから

若く身体の機能が壮健であれば、例えば急に立ち上がっても、体が調整してくれるのでめまいは発生しません。一方で加齢によって調整する機能が低下していると、急に立ち上がった時に重力によって下方に向かう血液の流れを是正するスピードが遅れてしまい、頭部虚血が引き起こされてめまいを発生させてしまいます。
このようなことが身体のあちこちで発生します。しゃっくりなどで胃腸が動いた際に迷走神経が刺激されるのですが、その際にも副交感神経が刺激されて脳虚血が発生します。通常はすぐに是正されるので特に問題は発生しないのですが、是正する機能が低下していると虚血及び虚血によって交感神経が刺激されて過度の興奮症状が出ることなどによるめまいが発生します。
以上のように、高齢者は神経系が老化によって変性していくため、平衡感覚の情報処理がうまくできなかったり、血圧を調節する機能が衰えることや、血流悪化(動脈硬化や心臓の機能低下で)による脳血流障害(脳幹や視床部分、大脳皮質などに酸素や栄養が十分に行き渡らなくなる)などが発生しやすくなるのでめまいが生じやすくなります。
身体の衰えがめまいを引き起こす
内耳機能の低下
加齢により内耳(耳石や前庭器官)の機能が衰えると、体のバランスを保つ能力が低下します。これが原因で、良性発作性頭位めまい症(BPPV)などが高齢者に頻発します。
血圧調節能力の低下
高齢になると自律神経の働きが弱まり、血圧を素早く調整する能力が落ちます。そのため、立ち上がったときなどに起立性低血圧が起こりやすく、脳への血流不足からめまいが発生します。
血管の老化
動脈硬化や血管の柔軟性の低下が進むと、脳や内耳への血流が不安定になりやすいです。これがめまいやふらつきの原因となります。
筋力・感覚の衰え
足の筋力低下や感覚神経の鈍化により、姿勢を維持する能力が落ち、バランスを崩しやすくなります。これが「めまい感」として自覚されることもあります。
薬の服用増加
高齢者は慢性疾患を抱えていることが多く、降圧剤、抗不安薬、抗ヒスタミン薬など、めまいを副作用として引き起こす可能性のある薬を複数服用している場合があります。
神経系の変性
加齢に伴う脳や小脳の神経細胞の減少、またはパーキンソン病や認知症などの神経変性疾患が進行すると、平衡感覚や空間認識が乱れ、めまいが起こりやすくなります。
代謝や栄養の変化
脱水が起こりやすかったり、ビタミンB12不足による神経障害が進行したりすることで、めまいが誘発されるケースもあります。
貧血やホルモン系の機能低下
造血機能の低下による貧血や加齢によるホルモン系の機能低下があると、血流障害や体全体の水分保持力の低下、脳虚血、全身の活性の低下などが引き起こされるので、平衡感覚の機能低下や自律神経の失調を招いてめまいが引き起こされます。
以上にプラスして漢方でいう内風という状態も発症しやすくなります。内風とは全身の栄養状態の悪化や水分保持力の低下により、体内の熱が抑制されにくくなることや、脳が全身の機能低下を改善させようと興奮することなどにより、めまいを始め、筋肉の痙攣や頭痛、不眠、耳鳴りなどの症状が生じやすくなる体の状態をいいます。
以上に対して漢方では「補腎活血」という方法で対策

老化現象に対して用いる薬はないのでは?と思ってしまうのが普通だと思うのですが、漢方では老化によって低下する機能に対して「補腎」という治療法を用いて改善するという方法があります。もちろん、80歳の心身の状態を50代の頃に戻すということはできません。しかし、例えば新陳代謝を向上させることや、ホルモン系の働きを向上させる、血液の流れを良好にする(活血)、脳の活性を向上させるなど、老化によって低下した機能を補うことはできます。先ほども申し上げましたが、魔法のように全身を若返らせるのではなく、じわりと生体の機能を元に戻すという効き方になります。
実際に漢方薬で老化によって発生しためまいを治せるの?
補腎の効果は即効性よりも長期的な養生に重点を置くため、数日から数週間で劇的な変化を感じることは稀です。また「本当に効くか」は、お客様の症状や体質、治療への期待値に依存します。
このような前置きはしておきますが、実際には50~60代ならばかなり治りやすいといえますが、80代を過ぎてくると効きにくいのかな…という印象を受けます。私は20年以上に渡り高齢者のめまいの相談に乗っていますが、加齢が要因のめまい(西洋医学で原因不明)に対しての効果は大体6割くらいです。
よく使われる漢方薬
補腎として用いる漢方薬
六味地黄丸
杞菊地黄丸
八仙丸
八味地黄丸
知柏地黄丸
参馬補腎丸
参茸補血丸
天王補心丹
亀鹿仙
双料参茸丸
冬虫夏草
シベリア霊芝
活血として用いられる漢方薬
冠元顆粒
冠脈通塞丸
循環元
桂枝茯苓丸
気血を補う漢方薬
心脾顆粒
人参養栄湯
十全大補湯
補中益気湯
婦宝当帰膠
自律神経や脳機能を調整する漢方薬
釣藤散
七物降下湯
抑肝散加陳皮半夏
逍遥散
桂枝加芍薬湯
桂枝加竜骨牡蛎湯
天王補心丹
黄連阿膠湯
水分代謝や脂質代謝を改善する漢方薬
苓桂朮甘湯
半夏白朮天麻湯
茯苓飲
温胆湯
大柴胡湯
今回は以上になります。すべての方を治せる訳ではありませんが、割と楽になる方が多いのでぜひ漢方療法をお試しくださいませ。よい週末を^^
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