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下痢が発生する理由と漢方薬による対策法

  • みやわき健康薬局  宮脇 崇
  • 9月5日
  • 読了時間: 7分

こんばんは^^朝から台風の影響でずっと強い雨が降り続いていたここ鹿嶋市です。久しぶりの強い雨に何となく懐かしさを感じたのは私だけでしょうか。



さて、今回のブログは「下痢が発生する理由と漢方薬による対策法」についてご説明させていただきます。


下痢というとネガティブなイメージがありますが、男性は腸の動きをゆるめるエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが少なく、さらに腸の蠕動運動を活発にさせる交感神経が優位になりやすいなどの体質的な影響があるので、特に問題がなくても下痢しやすいという傾向があるなど、特に病気などの関係のないケースもあります。


今回はこのようなケースも含め、なぜ下痢をするのかとその解決法についてご説明します。




下痢する原因と対処法

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下痢の原因と対処法(養生法及び漢方薬)

  1. 性別による影響

  2. 刺激物の摂取

  3. 暴飲暴食や早食い

  4. 胃腸の冷え

  5. 感染症

  6. ストレス

  7. 乳糖不耐症

  8. 胃腸の機能低下(消化不良含む)

  9. 熱中症

  10. 体全体の弱り

  11. 各種病気や薬の影響



順番に説明しますね。


①性別による影響

こちらは冒頭にてご説明させていただきました。男性は腸の蠕動運動をゆるめるエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが少なく、さらに腸の蠕動運動を活発にさせる交感神経が優位になりやすいなどの体質的な影響があるので、特に問題がなくても下痢しやすいという傾向があります。


この場合は交感神経を緩めてあげることが基本的な改善法になります。リラックスする、ストレッチやヨガ、ウォーキングなどのゆっくりとした運動を行う、睡眠時間をたっぷりとる、趣味の時間を増やすなど。漢方薬では抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯去大黄、桂枝加芍薬湯などが適応になります。


※漢方薬選びはこんなに単純ではありません。実際に服用する際には専門家に相談してからとしてください(以下全て)。



②刺激物の摂取

唐辛子、胡椒、生姜、アルコール、タバコ、脂っこい食事、カフェイン、キンキンに冷えた飲み物などを過剰摂取すると(人によっては少しの量でも刺激になることがあります)、胃腸の動きに問題を発生させて下痢を引き起こす原因になります。


原因は刺激物の摂取なので「刺激物の摂取を減らす」ことが改善法になります。これを踏まえつつ、おかゆ、うどん、バナナ、りんごのすりおろし、ヨーグルト(乳糖不耐症でなければ)など「消化の良い食品」を選ぶようにします。漢方薬では芍薬甘草湯や安中散、桂枝加芍薬湯などの刺激による過敏性を緩和させるものを選ぶようにします。



③暴飲暴食や早食い

暴飲暴食や早食いがあると、飲食物が未消化のまま腸へ送られてしまいます。当然のことながら、未消化の状態では吸収することができないので、便として排泄する以外なくなり、吸収されていない状態なので下痢になります。


対策としてはゆっくりと消化の良いものをよく噛んで腹八分目食べる。これに尽きます。油を多く使っているものや水分の過剰摂取を控え、なるべく火を通したものを薄味で食べるようにします。漢方薬では平胃散、晶三仙、インチン五苓散などが適応になります。



④胃腸の冷え

過度の冷房、冷たいものの摂りすぎ、生ものの摂りすぎ、運動不足、薄着などで胃腸が冷えると、自律神経の失調、胃腸への血流悪化→消化不良、蠕動運動が活発になるなどによって下痢が引き起こされます。夏に冷たいものを摂りすぎて下痢をするのはよく経験しますよね。


対策としては冷たいものや生ものを減らして温かく熱を加えて料理したものを口にすること、冷房が効いた室内では上着を羽織り冷やさないようにすること、筋肉を適度につけて冷えや血流の悪化を招かないようにすること+適度に体を動かして心身が冷えないようにすることなどが対処法になります。漢方薬では人参湯や参苓白朮散、真武湯などが使われます。



⑤感染症

特に夏風邪のウイルスは胃腸などのジメジメした環境を好む性質がありますので、消化器系に問題を発生させて下痢を引き起こします。


対策は胃腸を冷やさずに消化のいい食事を心がけること。体力を低下させないよう、無理して仕事をしたり、運動したりなどはしないことです。漢方薬では柴胡桂枝湯やカッコウ正気散、胃苓湯などが適応になります。



⑥ストレス

ストレスを受けると、自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが崩れます。腸の運動は自律神経に強く支配されているため、ストレスで腸の蠕動運動が過剰に活発化し、下痢が発生します。


対策はストレスから離れること。さらに刺激物(辛いものやカフェイン、アルコール、あぶらっこいものなど)、激しい運動、労働過剰、寝不足、刺激の強いゲームなどはストレス状態を助長させるので避けるようにします。漢方薬では柴胡加竜骨牡蠣湯去大黄、抑肝散加陳皮半夏、柴胡疎肝湯などが適応になります。



⑦乳糖不耐症

乳糖不耐症は、牛乳や乳製品に含まれる乳糖を分解できない体質。小腸で乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が不足しているために発生して下痢を引き起こします。


どの乳製品や量で症状が出るかを記録し、自分に合う摂取量や食品を把握するようにして、症状を起こさないように気を付けます。漢方薬にも乳糖という賦形剤が含まれていることがありますので注意するようにしましょう。人参湯や平胃散、桂枝加芍薬湯などが緩和に役立ちます。



⑧胃腸の機能低下(消化不良含む)

胃腸の働きが弱いと様々な要因で下痢が引き起こされます。食べ物による消化不良、油が合わない、ストレス、環境の変化、冷え、冷たい飲もの、暑さ、天候の変化、過労、寝不足、風呂でのぼせるなど様々。


対策は規則正しい生活やバランスの取れた食生活、腹八分目でよく咀嚼する、睡眠時間はたっぷり、過労しないなどよく聞かれる健康に役立つことを日々実行するようにすることが改善につながります。漢方薬では六君子湯や補中益気湯、小建中湯、参苓白朮散などをじっくり続けて行くのがスタンダードです。



⑨熱中症

熱中症によって脱水が進むと、腸管内の水分が減少して腸の蠕動運動が乱れます。これにより、便が軟らかくなり下痢が誘発されます。


対策は涼しい場所で心身を休めること+水分やミネラルを少しずつしっかり補うことです。漢方薬では麦味参顆粒+半夏厚朴湯、五苓散、白虎加人参湯などがよく用いられます。



⑩体全体の弱り

体全体が弱ってしまうと、当然のことながら栄養の吸収や循環、体温維持、全身の活性などが低下します。それによって胃腸及び膵臓、肝臓などの消化液を分泌する内臓の動きも悪くなるので下痢が発生しやすくなります。


対策はなるべく心身を弱らさないように、冷えや暑さ、環境の変化などに注意しつつ、バランスの取れた食生活、適度な運動、規則正しい生活習慣、社会との関わりなどを包括的に行っていくことです。漢方薬では人参養栄湯、十全大補湯、八味地黄丸、補中益気湯などが適応になります。



⑪各種病気や薬の影響

感染症、過敏性腸症候群、セリアック病、甲状腺機能亢進症、糖尿病、すい臓疾患、肝臓疾患などの疾患や抗生物質、非ステロイド性抗炎症薬、抗がん剤、マグネシウム含有の薬などによっても下痢は引き起こされます。


これらの影響である可能性がある時には、専門の医療機関に相談して対策するのが改善法になります。漢方薬が併用できることもありますので、その都度、専門家に相談することも改善法の一つです。※⑤感染症や⑨熱中症、⑥ストレスなども病気に含まれるのですが、よく見受けられる疾患ということで⑪に含めずにご紹介させていただきました。




以上になります。これらはあくまでも「あえて分けるなら」ということで分類しているだけであり、実際には⑥のストレスと⑧の胃腸の機能低下が6:4くらいの割合で混ざっていたり、さらにもっと複雑に4種類くらいがミックスされ、そこに月経周期による影響が重なるなど、様々な要因が複雑に絡み合っているといったケースがほとんどです。よって、上に書いてあるものが全てということではありません。あくまでも代表的な原因と対策についてご紹介させていただいているという感じになります。


実際に漢方薬を用いる際には必ず専門家の指導の下としてくださいませ。



よい週末を^^





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