蒸し暑い夏にパニック発作が増える原因と漢方薬による対処法
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 5月23日
- 読了時間: 7分
こんばんは^^朝からさわやかな過ごしやすい天候となりましたここ鹿嶋市です。とはいえ、まだまだ気温の乱高下がありますので調子を崩しているという方が多くなっています。特に夜は冷えますので気を付けてお過ごしくださいませ。
さて、本日のブログの内容ですが、今回は「蒸し暑い夏にパニック発作が増える原因と漢方薬による対処法」になります。
夏はパニック障害の方には辛い季節になります。
理由は暑さストレスによって発作が起きやすい時期だからです。
その細かい理由と、生活習慣による対処法、そして対策に役立つ漢方薬についてご説明します。
先に進む前に、この度、「パニック障害の原因と対策法(漢方薬や生活習慣がメイン)」というnoteを書かせていただきましたのでご紹介したいと思います。約8万文字に渡り、私がパニック障害に罹患した経験と、20年間に渡りパニック障害で苦しむ方の漢方相談に乗ってきた経験、そして書籍やネットの情報(信頼できる)をもとに分かりやすく書かせていただきました。ご興味のある方はぜひご一読くださいませ。noteに入っていただき、「パニック障害の原因と対策法(漢方薬や生活習慣がメイン)」や「みやわき健康薬局」で検索することでたどり着けると思います。
蒸し暑い夏にパニック発作が起きやすくなる理由

パニック発作は「刺激に誘発される」という規則性があります。刺激が伝わると脳が緊張、興奮します。脳が緊張、興奮することで発作が誘発されるとうメカニズムです。よく見受けられるのがストレス、人前で話をする、閉所、高所、トンネル、暑熱の環境、寒冷刺激、強風、台風、気圧の変化、冷房による冷え、暖房による暑さ、カフェイン、アルコール、予期しない出来事などがあります。
✅蒸し暑い環境によってパニック発作が増える理由
高湿度によって息苦しくなる(窒息や不快感によって発作が誘発)
暑さによって脳が熱せられる(体内の熱は上にあがる)(温度上昇で脳は興奮したり健全性を失ったりしやすくなります)
汗による不快刺激
心臓の鼓動が早くなる(30℃以上では、安静時の心拍数が通常より10〜20%程度増加)(心臓の拍動が多くなるとそれを動悸と捉えて不安を訴えるケースがあります)
コルチゾールの分泌が増える(夏はコルチゾールが10〜30%増える)(コルチゾールが増えると不安感、焦燥感、気分の落ち込みが増す)
実際にパーセンテージとして夏に発作が多くなるというデータはありませんが、一般的に夏の暑さや高湿度が発作の引き金となりやすいとの報告がありますし、当店のお客様でも「夏になると発作が出やすい…」と訴える方が多いという印象を受けています。
蒸し暑い時期にパニック発作を抑制する効果のある漢方薬

暑い夏なので、基本的には清熱作用のある漢方薬や脳の興奮を抑制する作用のあるものが主役になりますが、一方で冷たいものの摂取による胃腸の機能失調や、暑さによる心身の緊張、興奮が続くことによって心身が疲弊しきってしまう…、さらに陰血という心身を潤している水分や血液の量が少ないが故に、全身が熱を帯びやすくなっている状態や栄養不足、運搬障害などが原因になっていることもあります。
まとめますと
清熱作用のあるもの(白虎加人参湯、竹葉石膏湯、黄連解毒湯、牛黄)
脳の興奮を抑制するもの(釣藤散、抑肝散加陳皮半夏、加味逍遙散、温胆湯)
胃腸の機能を助けるもの(五苓散、半夏瀉心湯、参苓白朮散、補中益気湯)
心身の疲弊を改善するもの(麦味参顆粒、清暑益気湯、補中益気湯)
陰血の不足を改善するもの(杞菊地黄丸、麦味地黄丸、四物湯、天王補心丹)
などがよく用いられる漢方薬になります。
圧倒的に①~③がよく用いられますが、④~⑤も併用という形で用いることもありますし、状態によってはメインで使うこともあります。
実際には、その人の体質やその時の状況によって細かく使い分かる感じになります。
漢方薬を活用する場合には、必ず専門家の指導の下としてください。一般の方が適当に使うと逆効果になることがあります。
漢方薬以外で改善に役立つこと
暑熱順化をしっかりしておく
日ごろから運動をして体力を向上させておく(筋力アップも)
調子が悪い時は暑熱の状況を避ける
暑さ対策グッズの活用
水分をしっかりとる
体調を整えておく
特に胃腸の働きは大事
自分の体が悪いのではないと俯瞰する
順番に説明しますね。
①暑熱順化をしっかりしておく
暑熱順化とは身体が暑い環境に適応するプロセスのことを指します。具体的には、高温多湿な環境に繰り返しさらされることで、身体がその環境に慣れることで熱中症などの暑さによる不調を減らすことができるようになります。
この暑熱順化をしっかり行っておくことで、暑さによる心身へのストレスを低減させることができるようになり、その結果、パニック発作を減らすことができます。
②日ごろから運動をして体力を向上させておく(筋力アップも)
体力がある人は、心肺機能や血流が改善され、交感神経と副交感神経のバランスが整いやすいとされています。また、運動を行うことで心臓が早くなることによって引き起こされるパニック発作(緊張していると勘違いして発作を起こす)や、汗による不快刺激などによるストレスを、慣れによって低減させ、さらに筋力をアップさせることで体全体の保水力を向上させることもできます(保水力向上=脱水になりにくい)。
③調子が悪い時は暑熱の状況を避ける
暑い時期はパニック発作が出やすいということを知っておくことで、調子が悪い時は暑い場所に行くのを避けようという行動を取ることができます。
④暑さ対策グッズの活用
うちわ、小型扇風機、冷感グッズ、サングラス、涼しい衣服、帽子、日傘、日焼け止めの利用、エアコン、扇風機、タオル、氷枕などの暑さ対策グッズを有効に利用することにより、発作を抑制させることができます。
⑤水分をしっかりとる
脱水は体内の水分や電解質のバランスを崩し、心拍数の増加、血圧の変動、めまい、疲労感などの症状を引き起こします。これらの症状は、パニック発作の身体的症状(動悸、めまい、息苦しさなど)と似ており、脱水がパニック発作の引き金になる可能性があります。
よって、脱水にならないようにしっかり水分を摂取する必要があります。一気飲みなどはせずに少しずつ水分をとるのがポイントです。
⑥体調を整えておく
パニック発作は体調不良と密接に関係しています。体調不良があると暑さによる悪影響を受けやすくなるので、不快症状がより強くなることや新たな症状の発生を生むこととなり、それらが発作を誘発します。下痢や胃痛、睡眠不足、過労、栄養不足、二日酔い、冷たいものの摂りすぎ、昼夜逆転の生活などは改善しておくようにしましょう。
⑦特に胃腸の働きは大事
体調の維持で一番大切なのは胃腸の機能維持になります。胃腸の機能が低下してしまうと、自律神経が乱れやすくなるので、めまいやだるさ、不安感が出るなど様々な不快症状が発生するようになります。また、水分や飲食物の吸収に問題が発生するので、脱水や低血糖などが生じやすくなります。
⑧自分の体が悪いのではないと俯瞰する
精神を正常な状態に維持するために役立つ考え方になります。自分の心身が不調なのは自分の体に問題があるからではなく、暑さによって脳がアンバランスになっているからだと捉えることで精神を安定させることができます。パニック発作の多くは、「体がどうにかなって死んでしまうのではないか?」という思考によって悪化します。死に直結するような病気ではなく、暑さのせいで脳がアンバランス(興奮しやすくなっている)なだけと考えることで発作の度合いを軽減させることができます。
今回は以上になります。これから蒸し暑い日が多くなるにつれて発作が起きる頻度が増えてしまうかもしれませんが、きちんと対処することで発作無しで過ごせるかもしれません。発作無しで過ごせたら、自信がついて苦手意識による予期不安→発作を誘発という状況を打破できる可能性が高くなります。ぜひ対策法をご活用くださいませ。
漢方相談はぜひみやわき健康薬局まで。お待ちしております。
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