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空咳に使う漢方薬。麦門冬湯と竹葉石膏湯の使い分け

みやわき健康薬局  宮脇 崇

更新日:2月1日

こんばんは^^今日も朝から寒かったですね。風が冷たすぎて、白衣のまま外に出たら秒で室内に帰りたくなりました。こんな日は無理しちゃダメ。心身を温かくして過ごしましょうね。



さて、今回は「空咳に使う漢方薬。麦門冬湯と竹葉石膏湯の使い分け」という内容になります。


皆さん咳で悩まされていませんか?

今年は風邪を引いた後に「咳だけがいつまでも長引く」という方がとても多くなっています。その咳に用いる漢方薬として麦門冬湯を始めとした各種漢方薬があるのですが、今回は空咳または粘っこい痰が絡む咳に対して代表的な漢方薬である麦門冬湯と、麦門冬湯によく似た竹葉石膏湯という漢方薬の使い分けについてご説明していきたいと思います。



両方ともに「肺と胃の気陰両虚」に使う漢方薬

ちょっと難しい言葉が出てきました。

まず気陰両虚についてご説明させていただきますね。


気陰両虚とは元気(心身の活性)と潤い(水分保持力)が低下している状態です。この両方が胃(消化器系全般と考える場合もあります)と肺で不足している時に適応になります。


胃と肺について説明しますね。

胃とは皆さんがご存じの胃袋のことです。

肺は肺臓と上気道(鼻から喉までの気道)と皮膚を意味します。


これらの場所の、主に粘膜や皮膚(胃粘膜や肺、気道、皮膚の組織表面や粘膜)の潤いと、肺や胃の活性(元気)が低下している(動きや機能の低下、疲れている)時に用いる薬という意味になります。


以上を読んで、意味は分かるけどピンとこない…という方もいらっしゃると思いますのでわかりやすく例をあげてご説明しますね。


風邪の後期で感染による炎症で気道が傷ついているが故に、粘膜の潤いが低下し、さらに全身の活性や免疫が低下している状態を気陰両虚といいます。感染による炎症で粘膜が乾燥している(肺陰虚)、さらに全身の活性も低下(気虚)。この状態を気陰両虚といいます。


真夏の暑さで脱水状態になっている時も同じように気陰両虚という状態になりやすいです。また高齢者は体自体の水分保持力低下+老化による活性低下がありますので、体質的に気陰両虚の傾向があるといえます。


気陰両虚になると、空咳が出る、痰が絡む咳が出る、口や喉が渇く、肌が乾燥する、食欲不振、心身がだるい、動悸息切れがする、便秘などの症状が出やすくなります。


麦門冬湯や竹葉石膏湯はこのような症状がある時に適応になります。

今の時期だと風邪+気温の低下+空気の乾燥によって症状が出やすくなりますね。





では両者の違いは何なのか?


両者の違いは「竹葉と石膏という清熱剤が入っているかどうか」です。


麦門冬湯に配合されている生薬は麦門冬、大棗、半夏、人参、コウベイ、甘草の6種類。

竹葉石膏湯に配合されている生薬は麦門冬、半夏、人参、コウベイ、甘草、竹葉、石膏の7種類。


麦門冬湯から大棗を除き、竹葉と石膏が加わっているのが竹葉石膏湯になります。


それぞれの生薬の説明をしますね。


  • 麦門冬は粘膜や皮膚を潤す

  • 人参は保水力や血液を増やす+心身の活性を高めて元気にする

  • 大棗は胃腸を元気にしつつ、血を増やして精神を安定させる(血は血液及び血液中の栄養を指します)

  • コウベイは胃腸の働きを助け、全身を元気にする

  • 半夏は痰を取り去り(胃腸内の水分を吸収させる作用もあります)、吐き気を改善する

  • 竹葉は熱を取り去り渇きを改善する+上にあがる気を下にさげる(咳やのぼせの改善)

  • 石膏は熱を冷まし(炎症の改善も)、渇きを止める


以上から麦門冬湯は粘膜や皮膚を潤す効果と心身を元気にする効果があるということが分かり、竹葉石膏湯は麦門冬湯と同じく粘膜を潤す効果と心身を元気にする効果に、清熱(熱を冷ます+炎症を取り去る)という作用が付加しているということになります。



✅実際の使い方


■麦門冬湯:空咳や喉の乾燥感、粘っこい痰がこびりつく、消化器官の渇き(口の渇き、食欲不振、食欲はあるけど食べられない、便秘など)などに疲れやすい、だるい、息切れするなどの心身の疲れや弱りの症状が伴う場合に適応になります。実際には風邪の後の空咳や口の渇き、空咳を伴う心身のだるさなどによく使われます。


■竹葉石膏湯:空咳や口の乾燥感、粘っこい痰を伴う咳などに付随して、激しく咳き込む、強い口の渇きを伴う咳、のぼせや咳による咽頭痛(痰が少ない又は無痰)がある時などの「熱症状」を伴う時に適応になります。実際には風邪が治った後の激しい咳(無痰または粘っこい痰が絡む時)、同じく咳のしすぎで喉に痛みが発生している時、熱中症で口渇がある時などに使われます。


その他、両方剤共に慢性的な空咳や口の渇き、火照りを伴う目の渇き、頭痛などにも適応になります。


※心身の疲れが強く出ている場合には冷やすと悪化してしまうので麦門冬湯や麦味参顆粒が適応になり、心身の疲れなどはさほどないものの、強い咳き込みや咳による咽頭部の違和感、のぼせが強い時は清熱が優先になるので竹葉石膏湯になります。




今回は以上になります。

空咳なのになぜか麦門冬湯が効かない…という方は「熱」がある空咳なのかもしれません。もちろん、その他の原因も考えられます。それも含めて個々適応しているのが漢方薬のいいところです。咳でお悩みの方はぜひ漢方療法をお試しくださいませ。





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