みやわき健康薬局  宮脇 崇

2023年4月14日5 分

風邪を引いた後に頭痛が続く…という症状の原因と漢方による対処法

こんばんは^^朝から素晴らしい天気となりましたここ鹿嶋市です。暖かく穏やかな春の日って最高ですね。

さて、今回は「風邪を引いた後に頭痛が続く…という症状の原因と漢方による対処法」というお題にてブログを書いていこうと思います。

風邪を引いたあとに頭痛がいつまでも続く…というご相談が多くなっています。

「風邪が治ってないの?」

「コロナの後遺症?」

「もしかして脳の病気?」

など、この時期なので、長く続く頭痛に皆さん不安に感じています。

私は20年近く漢方相談をやっていますが、風邪の感染後に頭痛が続く…という訴えのお客様がこれほど多いのは初めてのことなので少し戸惑っています。

ズバリ、その理由は炎症と神経過敏

✅一般的に言われる風邪を引いた後に出る頭痛の原因

  1. 髄膜炎

  2. 副鼻腔炎

  3. 慢性上咽頭炎

  4. 風邪による自律神経の乱れ

順番に説明しますね。

①髄膜炎

髄膜炎はウイルス、細菌、真菌などの菌やウイルスが脳や脊髄の表面を覆う“髄膜”に侵入して炎症が起きる病気です。38~39℃以上の高熱とともに激しい頭痛を訴えます。強い吐き気を伴い、嘔吐を繰り返す、顎が胸につかなくなる、首を左右に振ると痛みが響くなどの症状があります。

②副鼻腔炎

風邪をひいてから数日後に、前頭部や額部分に強い痛みが起こる場合は、風邪により副鼻腔炎が生じている可能性があります。副鼻腔は鼻の付け根の両サイド、そして眉毛の当たりの空洞に炎症が起きている状態をいいます。

③慢性上咽頭炎

鼻の奥にある上咽頭で炎症が起こり慢性化すると、頭痛が長引くことがあります。ウイルスがなくなった後も上咽頭に炎症やうっ血が残ることがあります。 この状態を「慢性上咽頭炎」といいます。

④風邪による自律神経の乱れ

風邪を引くと体にとって脅威となるものが侵入してくるので、当然のことながら自律神経が乱れます。初期~中期は興奮しやすくなり、治りかけてくると今度はリラックスするようになります。また治った後も、その乱れが戻らなくなり、変に緊張したり、過度にリラックスしたりを繰り返します。

今回のコロナウイルスは毒性が強いので炎症や自律神経の乱れが生じやすくなる(※これがこのところ多くなっている風邪後に頭痛が続く原因です)

新型コロナ感染で脳内免疫細胞に異常か 中枢神経の後遺症の一因?

こちらのニュースを見ると分かる通り、風邪のウイルスは脳に侵入して炎症を起こす(又は免疫反応によって炎症が起きているのかも)ことが分かっています。いずれにしても脳内にて炎症が起きているのは間違いないので、その炎症によって頭痛が引き起こされている可能性があります。

また、毒性が強いということは、それだけ自律神経の乱れが強くなるということを意味します。それにより、風邪が治った後も自律神経が乱れた状態が続きます。自律神経が乱れると脳血管が収縮や弛緩が強く出るようになるので、頭痛が続くということになります。

これらは漢方でいう「瘀血」や「熱毒」「肝火」「内風」と呼ばれる

  • 炎症や癒着によって血流が阻害されている、神経が過敏になっている状態を「瘀血」といいます。

  • 炎症によって熱が発生し、それによって不快症状が出ている状態を「熱毒」といいます。

  • 自律神経の刺激によって脳が興奮している状態を「肝火」といいます。

  • 加齢や過度のダイエット、風邪などによって心身が消耗しているが故に脳が興奮しているのを「内風」といいます。

これら以外にも、心身が消耗して活性が低下している「気虚」という状態になっているが故に頭痛が出ている場合や、神経の昂りに伴い過剰な水分や脂質が体に増えてしまっている「痰」が原因になって頭痛が出ている場合などもあります。

漢方では何が原因で頭痛が出ているか、を見抜いて改善していきます。例えば頭痛が固定痛で夜になると刺すように痛む、舌の色が暗い、関節痛もある、肩こりや頭痛があるなどがある場合には瘀血があるサインなので血流改善薬を使うなど、原因に見合う漢方薬を使って改善します。

①瘀血の症状

皮膚のトラブル(しみ、くま、ニキビ、肌あれなど)、肩こりや関節痛、頭痛、重い生理痛、冷えのぼせ、傷跡やあざが残りやすいなど。適応処方:冠脈通塞丸

②熱毒の症状

熱感、強い症状の疼痛、口や唇の乾燥、口内炎、胸がゾワゾワする、微熱、寝汗、尿が濃い、便がべとつく又は便秘、心身がだるい、疲れやすいなど。適応処方:牛黄、荊芥連翹湯、石膏製剤

③肝火の症状

強いイライラ感、暴力的な怒り、激しい頭痛、突然の耳鳴りや難聴、めまい、眼の充血、不眠など。適応処方:加味逍遙散、竜胆瀉肝湯

④内風

しめつけられるような激しい頭痛・眩量、めまい、舌がふるえる、顔面紅潮、目の充血、イライラ、四肢のしびれ感、月経血が少ないなど。適応処方:釣藤散

⑤気虚

疲れやすい、疲れると頭痛がひどくなる、食欲不振、下痢又は便秘、汗が漏れて止まりにくい、むくみ、風邪を引きやすく治りにくいなど。適応処方:補中益気湯

⑥痰

詰まったような頭痛、頭痛やめまいが食後にひどくなる、むくみ、めまい、舌に苔が多い、舌が浮腫んで歯型がついている、悪夢を見る、便がべっとりとして便器に張り付くなど。適応処方:半夏白朮天麻湯

これら症状や外見、舌、爪などを見て判断します。実際にはもっとたくさんの情報が必要になるので、最低でも15分くらいの相談によって漢方薬が決まります。また、単独の原因ではなく多くは複数の原因が混ざって発症しているので、漢方処方は複雑になる傾向があります。お悩みの方はぜひご相談くださいませ。

今回は以上になります。よい週末を。

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