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腎が弱ると血が不足する理由と対策法

  • みやわき健康薬局  宮脇 崇
  • 10月31日
  • 読了時間: 6分

こんばんは^^今日は夕方くらいからずっと雨が降り続ているここ鹿嶋市です。雨が降ると何となく気持ちがゆっくりしますよね。



さて、今回のブログの内容は「腎が弱ると血が不足する理由と対策法」になります。

タイトルで分かると思いますが、今回はちょっと難しい漢方の話題になります。


腎と血は、「腎が腎臓」で「血が血液」だと思う方がいらっしゃると思いますが、現代医学でいう腎と血は漢方(中医学)でいう腎と血と意味が異なりますので、そちらも併せてご説明させていただきます。


分かりやすくご説明させていただきますので、最後までお付き合いくださいませ。




まずは「腎」と「血」を説明します

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漢方(中医学)でいう腎とは

漢方でいう腎とは、成長や発育(全身の細胞増殖に関わる)、生殖などに関わる泌尿器、生殖器、ホルモン系、腎臓などの機能をいいます。腎気は、加齢により減少すると考えられています。腰痛や骨粗鬆症、脱毛や白髪、難聴や耳鳴り、皮膚の乾燥・痒み、排尿障害や尿失禁、下肢の冷えやだるさなどは、腎気が虚した状態、いわゆる「腎虚」の症状と考えられています。


漢方(中医学)でいう血とは

漢方の考え方には、「血(けつ)」という概念があります。血(けつ)は、現代の西洋医学でいう血液だけを指すのではなく、血液に含まれる栄養素や、正常に血液が流れるかどうかといった意味も含んでいます。作用でいうと全身を栄養して潤す作用と、精神安定化作用があります。 血は精神活動の基礎物質と考えられていて、興奮を静めたり、冷静な判断をしたり、質のいい睡眠を維持したりなどの働きをしています。




この血は主に食べ物を材料にして作られる

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西洋医学でいう血液(赤血球)は鉄とタンパク質、VB12、葉酸などで出来ています。漢方でいう血も食事によって吸収される栄養と肺から吸収された酸素によって作られ、活性を持ち全身に循環するとされています。


普通に考えても、血液及び全身の栄養は食事によって補われるというのは容易に予想できますね。


さらに、栄養を吸収する胃腸、消化液を分泌する膵臓、全身に使えるものに変換、貯蔵する役割のある肝臓の機能も血液及び漢方でいう血の合成に関わっていることも分かると思います。


以上により血の材料になる食事の栄養バランス、そして消化吸収、代謝などに関わっている胃腸や膵臓、肝臓(これらの消化に関わる臓器の機能を漢方では脾という)などの機能を維持することなどが大事になるということになります。





さらに「腎」が関わっているのを忘れてはならない

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漢方でいう血は赤血球のみではないですが、赤血球も含まれているので赤血球を例に説明しますね。赤血球の合成に関わるのは鉄とタンパク質などの「材料」だけではありません。先ほど、食事による栄養とそれを吸収する臓器が関わっていると説明しましたが、その赤血球の材料+吸収する内臓の機能にプラスして「合成する工場(骨髄)」の働きも大事になります。


吸収された栄養素は血流に乗って全身を巡り、主に赤血球の製造工場である骨髄へと運ばれます。その栄養を基に造血幹細胞(骨髄にある)が赤血球を合成します。


以上の赤血球を合成するという働き(その他の血液成分も含み)が「腎の機能」になります。

腎が弱っていると赤血球を合成する工場の生産能力も低下しているということとなり、いくら赤血球の材料(栄養)が潤沢にあっても赤血球を作ることができないので貧血になってしまいます。



えっ、それって「気」の働きじゃないの?

と疑問に思う方もいらっしゃると思います。


✅漢方(中医学)でいう気とは

漢方でいう「気」は、生命活動の根源となる見えないエネルギーです。これは、体を動かす力、呼吸や消化、新陳代謝などを支え、病気から身を守る免疫機能も司っています。気がスムーズに巡っている状態が健康であり、気の不足(気虚)や滞り(気滞)は、疲労感や気力の低下、体調不良などにつながります。


分かりやすく申し上げると「自律神経が整っている状態」が気がしっかり働いている状態であり、気とは交感神経の刺激により内臓や心身の活性が行われている状態をいいます。疲れていると交感神経を維持できないのでだるくなり、内臓や免疫、筋肉などの働きが低下し、逆にストレス状態だと気の働きが亢進してイライラや熱っぽくなる、眠れない(心身が休まらない)などの状態が作り出されます。



気は以上のような働きがあるので、当然のことながら赤血球の合成などの細胞分裂にも関わっています。しかし、細胞の合成、増殖には自律神経系の働きだけではなく、各種ホルモンの活性、遺伝子・細胞周期、体温、サイトカイン、pHバランスや電解質異常、老化現象など様々なことに影響を受けています。これら細かい様々な影響にプラスして気の働きを含み総じて漢方では腎と呼んでいます。




血と腎にはこのような関係性があります。

鉄剤とタンパク質、ビタミンB12、葉酸などの赤血球の材料になるものを摂っていて、さらに内臓に問題がない(さらに過剰な出血もない)にも関わらず血が増えてくれない…という場合には「腎」の働きが低下しているのかもしれません。



腎の働きを高めてくれる漢方薬、漢方生薬、食べ物、生活

腎の働きを高めてくれる漢方薬:六味丸、杞菊地黄丸、八味地黄丸、鹿茸大補湯、亀鹿仙、牛車腎気丸、参馬補腎丸、海馬補腎丸


腎の働きを高めてくれる生薬:地黄、クコシ、鹿茸、海馬、人参、サンシュユ、山薬、女貞子、亀板、肉蓯蓉、附子、杜仲、黄精


腎の働きを高めてくれる食べ物:黒ゴマ、黒豆、山芋、クコの実、栗、鶏卵、クルミ、イカ、タコ、エビ、黒きくらげ、羊肉、鹿肉、鶏肉、ニラ、生姜、ニンニク、貝類(ホタテ・アサリ)


腎の働きを維持するために大事になる生活:身体を冷やさない、寝不足しない、過労しない、アイス・コーヒー・辛すぎるものは摂りすぎない、ストレスから遠ざかる、適度な運動、性生活過多はNG



腎が弱っている症状

精力減退、夜間尿、耳鳴り、耳が聞こえにくい、精神不安、生理不順・閉経後ののぼせ、便が乾燥気味・尿が黄色く少ない、手足の冷え・むくみ、寒がり・冷えると関節が痛む(腰痛・関節痛)、声が小さい・話すのがおっくう、白髪・脱毛、骨・歯が弱い・骨粗しょう症、脳の働きが鈍い(もの忘れ・判断力低下)、汗が出やすい・冷えやすい、貧血



今回は以上になります。

腎虚の症状がある場合は漢方薬が効果的。適応になるものは個々異なりますので、専門家に相談してから服用する薬を決めてください。



良い週末を^^




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