暑さ不調対策に最重要なのは「脳機能の安定」。その理由と対処法
- みやわき健康薬局 宮脇 崇
- 5月15日
- 読了時間: 6分
いよいよ夏がやってきそうです。今日は最高気温が18℃なので肌寒い感じですが、明日以降は気温が上がり、来週の火曜日には最高気温が29℃という真夏の気温になるという予報が出ていますので、夏本番がやってくるといっていいでしょう。
暑くなると相談が多くなるのが「暑さによる不調」。
夏バテ、熱中症、頭痛、多汗、めまい、不眠、だるさ、食欲不振、下痢、動悸、パニック障害など。特に熱中症に関する相談が多くなります。
今回の記事は、この夏の暑さによる不調に対して「脳機能の安定が大事になるよ」という内容になります。
一般の方でも理解できるよう、分かりやすくご説明しますので最後までお読みくださいませ。
脳機能の安定が暑さ不調対策になる理由

最新の研究にて暑さによる不調は単なる「体力不足」ではなく、「脳・自律神経・ストレス応答系の疲弊」が深く関与していることが明らかになっています。
人間の体温は約37℃前後を保つよう、視床下部(脳の体温調節中枢)によって常に監視されています。暑さで体温が上がると、視床下部から指令が下り、発汗などの生理的反応にて体温及び体調が一定に保たれています。
暑い時に体調を維持する役目を果たす「発汗、血管の拡張、熱の生産を減らす、行動による体温調整(服を脱ぐなど)、ホルモンの調整、心拍数の調整など」は全て脳からの指令によるものです。
何らかの理由によって脳の機能が低下してしまうと、必然的に視床下部の働きも芳しくないものとなり、結果、体内の熱をうまく逃がすなどの調整ができにくくなってしまいます。当然のことながら熱中症や夏バテ、動悸、食欲不振などをはじめとした不調が出やすくなると共に、命に関わる事態に発展することもあります。
まとめると、「脳が体温及び心身の機能を適切に調整できているかどうか」が大事になるということですね。脳が疲れてしまっていると、暑さに対する調整がうまくいかなくなるので、不調が出やすくなる又は耐性が低下するということになります。
脳が疲れている時の症状と対策法

✅脳が疲れている時の症状
動悸
めまい
吐き気
息苦しさ
イライラ
不眠(睡眠の質が悪くなる)
食欲低下+下痢便秘
感覚過敏(音や光、臭いに敏感になる)
集中力の低下
ミスが増える
感情が爆発しやすくなる(抑制できない)
慢性的な微熱や頭痛
甘いものや脂っこいもの、カフェインが異常に欲しくなる
趣味に対しても「面倒くさい」と感じる
朝起きた瞬間から「脳が重い」感覚がある
✅脳疲労を招く原因
情報過多(スマホやパソコンの触りすぎ)
不安
睡眠不足
慢性ストレス
マイナス思考
過労
過度の飲酒
暴飲暴食
運動不足+日光浴不足
腸内環境の悪化
カフェインの摂りすぎ
栄養バランスの乱れ(タンパク不足、亜鉛不足、マグネシウム不足、甘いものの摂りすぎ)
暑さや寒さ、気候や気圧の急な変動
不規則な生活
脳疲労を防ぐにはどうしたらいいのか?
基本的には先ほど説明した「脳疲労を招く原因」を対策していくことになります。
それを含め、新たなポイントもプラスしてまとめますね。
① 睡眠を最優先する
これは土台。睡眠中に脳は神経興奮の調整、自律神経リセット、老廃物除去、記憶整理
を行っています。なので、たっぷりの質のいい睡眠が脳疲労改善の中心になります。
眠りを妨げる、深酒、寝る前のスマホ、夕方以降にカフェインを摂らない、寝る直前の考え過ぎ、寝る直前の飲食などに気を付けるようにしましょう。
② 過労を減らす
50代以降は特に、「若い頃の働き方や遊び方」が脳を壊しやすくなります。気合いや根性、無理、睡眠削りなどは脳疲労を悪化させやすいので、これらを減らすと共に心身をしっかり休ませることを意識します(その日の疲れはその日のうちに処理する)。
③ 情報入力を減らす
現代人は、SNSやニュース、動画視聴、AI検索などで脳が常に働かされています。脳疲労時は、「刺激を減らす」のが鉄則。スマホを何となく見続けてしまう…という行為が脳を疲れさえてしまうので、なるべく見ないように制限をかけるようにしましょう。
④ 「何もしない時間」を作る
意外ですが非常に重要なのが「何もしない時間を作る」こと。ボーッとする、散歩する、ゆっくりと風呂に入る、自然の中に身を置く、空を見るなどがおすすめ。
⑤ 呼吸を整える
呼吸は自律神経と直結しています。特に「長く吐く」ことで副交感神経が優位になりますので、4秒吸う→6〜8秒吐くという深呼吸を休憩の時に必ず取り入れるようにしてみてください。
⑥ 身体感覚を監視しすぎない
脳疲労が強い人は動悸や暑さ、疲労感、心身の違和感などを常時チェックしています。すると、神経が過敏になるので脳疲労が生じやすくなります。視線を自分以外に向けると共に、自分自身の身体の不調が気になったら「一過性の症状は無視」くらいに考えて様子をみるようにしましょう。
⑦ 胃腸を守る
脳腸相関 により胃腸の状態は脳に影響します。特に暴飲暴食や冷飲食、アルコールの摂りすぎ、甘いものの摂りすぎ(血糖値の乱高下)は胃腸の働きや環境を乱すと共に、脳疲労も悪化させやすいので注意するようにしましょう。
⑧ 軽い運動を習慣にする
軽い有酸素運動は睡眠の質改善、不安軽減、自律神経安定という効果があります。なので、うまく取り入れるようにしてみましょう。ただし「追い込みすぎ」は逆効果になることがあるので、適度に、疲れたら休むを徹底するようにしてください。プラス、日光浴を適度に行うことも大事になります。
⑨ 安心感を増やす
脳は安全や予測可能、理解されるという状態だと回復しやすいという傾向があります。逆に夫婦の不仲や金銭不安、孤立、責任過多が続くと警戒モードになりやすいです。なるべく安心できる状況に身を置くことが対策になります。
⑩ 栄養不足を補う
脳は大量のエネルギーを使います。不足しやすいものとしてタンパク質やマグネシウム、亜鉛、ビタミンDなど。これら栄養素を意識しながら、バランスのよい食事を普段より心がけることが対策になります。
今回は以上になります。 一つ付け加えますと、漢方には心身一如という言葉があります。その意味はこころと体は互いに影響し合っており、こころの調子を良好にしたい場合には体側の健康状態も大事になる、になります。
要するに、夏の暑さによる不調は脳の不調対策が一番大事になりますが、一方でその脳の機能は体側の健康状態によって支えられているので、内臓や筋肉、血流、水分代謝などの健康状態も大事になるということになりますね。
先ほどの説明でも、そのような説明になっていると思います。
ただ、現代は情報過多による脳疲労やストレス過多、睡眠不足、暴飲暴食、運動不足、日光浴不足など「脳の疲労」を招く習慣が多くなっていますので、体側の健康はもちろんですが脳自体の疲労に注意することが必須になります。
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