こんばんは^^今日の日中の気温は18℃。すっかり春ですね。今週末は更に上がって20℃を超えてくるようです。
さて、今日は「抑肝散は果たして認知症の改善・予防に有効なのか?」というお題で書いていこうと思います。
現代人の寿命が延びた代わりに多くなってきているのが認知症やがんなどの病です。がんに関してはいろいろな研究によって進歩している感じがしますが、認知症に関しては治療法が進歩しているという感じはしません。
それもそのはず、認知症は「老化」から来る脳の機能低下が原因だからです。そして発症時にはすでに脳の器質的な老化現象が進んでおり、治すということはそこからまた脳を若返らせるということなので、物理的に無理なのかな…という感じなので、何となく治療法が進歩しないのは予想できます。
その認知症の治療や予防として漢方薬の抑肝散が使われていますが、果たして効果があるのでしょうか?
結論から申し上げますと治療や予防の効果はない
抑肝散にある効果は「脳の興奮を抑制する」という効果であり、認知症や脳の機能低下を予防したり、改善したりという効果はありません。
処方している先生方はご存じだと思いますが、一般の方々は知らないのかな?と思います。
なぜ効かないか?
それは先ほど申し上げている通り、抑肝散は脳の機能を改善する、若返らせるという効果ではなく、「脳の興奮を抑制する」という効果を期待して使用される漢方薬だからです。
脳の機能が低下すると、論理的に物事を考えることができにくくなります。即ち、否定される=悪口を言われているとなり、怒りの導火線に着火→すぐに怒るという状態が作り出されます。また、認知症になると意味もなく興奮状態に陥りやすくなるという状況がよくあります。
このように脳が興奮した時に用いると、興奮を鎮静化させることができます。
以上のような効果があるので、興奮を抑制することはできますが、認知症の改善、予防には効果を発揮できないということが分かります。
では、認知症にはどのような漢方薬が効くのか?
✅認知症の改善、予防に役立つ漢方薬
神経細胞成長因子のある漢方薬
脳細胞を酸化から守る作用のある漢方薬
脳の材料となる漢方薬
1.八味丸や杞菊時黄丸、参茸補血丸、田七人参などの「補腎薬」と呼ばれる漢方薬には神経細胞を成長させるという働きがあることが分かっています。使いすぎるとがん細胞なども大きくしてしまうので、植物性の生薬を適度に使うことが大事になります。
2.脳神経は活性酸素によって破壊されてしまうので、活性酸素を除去する作用のある各種活血剤と呼ばれる漢方薬を用いると効果的です。冠元顆粒、シーアルパ100などがそれに当たります。
その他、高血糖や肥満、免疫の低下(特に歯周病の改善・腸内環境の改善は大事)、水分の不足でも脳に炎症が起こりやすくなるので、これらを改善するような各種地黄丸製剤や人参黄耆製剤なども必要に応じて用いるようにします。
3.脳の材料となるのはEPA・DHAとアミノ酸です。EPA・DHAは魚の油でシーアルパ100に含まれています。アミノ酸は肉や魚、卵などに含まれるたんぱく質に含まれています。コルクレバンという医薬品が効果的です。
胃腸や肝臓が弱っているとうまく吸収されないので、弱っている場合には、適宜、補中益気湯や田七人参などで補正する必要があります。
以上のような方法にて認知症の予防、改善に役立てることができます。
もちろん万全ではない
以上のような予防・改善法はありますが、当然の如く万全ではありません。なぜかというと、冒頭に申し上げた通り、認知症は脳の老化だからです。
皮膚が老化して顔にシワが寄るのと同じ。これを完全に予防、改善できないのと同じで、認知症も完全に予防、改善することはできません。
ただし、漢方薬による効果はあると断言できます。
✅その他認知症のリスクになること
糖尿病
肥満
加工食品の食べ過ぎ
菓子類の食べ過ぎ
甘いものの過食
歯周病の放置
腸内環境の乱れ
アルコールやタバコ
清潔すぎる環境
脳を使わない生活
運動不足
ストレス過多
孤独
たんぱく質の不足
魚の摂取不足
日光浴不足
寝不足
これらを排除しつつ、健康的且つ社交的な生活を送ることも大事になります。
お悩みの方はぜひみやわきまでご相談くださいませ。
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