こんばんは^^今日はいきなり寒めの秋がやってきましたここ鹿嶋市です。秋は季節の変わり目なので目まぐるしく天候や気温が変化します。注意しましょう。
さて、今日は久しぶりなのかな?症例報告になります。「ストレス→残尿感を繰り返すお客様に帰脾湯が著効」というお題で書き進めていこうと思います。
年齢は30代で性別は女性。細身のお綺麗な方がご来店されました。季節は真夏です。
主訴は残尿感。病院などで膀胱炎と診断されて改善を試みたものの、その時は治るのですが、またすぐに下腹部の違和感を感じるので漢方療法を希望。
食欲正常、眠り正常、疲れやすいと感じる、冷房で頻尿気味、冷房が寒いと感じる、精神的に不安定な感じはないがストレスは常に感じている(子供が家にいるので)、月経正常、頭部症状なし、肩こり背部の緊張アリ、喉に違和感を感じることがある
などの体質及び特徴があります。
皆さんはこの方の原因と改善法についてどう考えますか?
ヒントとなりそうな事項を書き出しましょう。
残尿感がひどい→病院で膀胱炎と診断された
病院で薬(抗生剤)を処方されて治ったが症状が再発する
患者さんは30代女性で細身
疲れやすいと感じる
冷房が寒いと感じる
常にストレスを感じている
肩こり、背部の緊張がある
喉に違和感を感じることがある
これらがヒントになります。一つずつ紐解いていきましょう。
まず1番目ですが大きなヒントです。すでに病院で「膀胱炎」という診断を受けています。なので病名を探す必要性はありません。残尿感は尿道又は膀胱に細菌が侵入していることが要因です。
そして2番目。普通は細菌が原因で膀胱炎になっているので、その細菌を殺す抗生剤を服用すれば治ります。しかし、治ってもまた再発するといいます。なので、再発する原因を特定させなければなりません。
膀胱炎の原因となる最近は肛門から侵入した大腸菌や皮膚常在菌であるブドウ球菌が原因です。いわゆる常在菌です。普通に皮膚にいる菌なので、体力が低下していれば、何度でも尿道から侵入して症状を起こします。
お客様は30代女性で細身なこと(月経で血を損失。細身なので体力が乏しい可能性がある)、そして冷房で冷えを受けて体力が低下している可能性があること。それにプラスしてストレスを感じていること(5,6,7は全てストレスの症状)によって、更に体力が消耗している可能性があります(また、季節が夏なので血や水分を消耗している可能性もある)。
人の体は冷えると、その分、エネルギーを燃焼させて体温を維持させなければなりません。なのでその代謝によって体力を奪われることがあります。また、単純に体を冷やすと全身の活性が落ちる→人間の分身である免疫細胞の活性も低下→感染症に弱くなるという関連も考えられます。
ストレスに関しては、ストレス状態の時は心身は活性化するので逆に免疫は高くなりますが、ストレスが抜けるとその反動で心身が消耗した状態となるので活性度が落ちます。お客様の場合は興奮状態よりも虚脱状態と捉えられるような症状が多かったので、ストレス状態ではなくストレスによる心身の疲れが出ている状態と判断しました。
まとめ
まとめますと、繰り返し膀胱炎になっている理由は
冷房の冷えやストレスによる心身の消耗→体を温める機能の低下+免疫低下
夏は血管が拡張しやすい&胃腸の機能が低下しやすい→血液が不足しやすい→エネルギー不足→体力低下
答え:繰り返し膀胱炎になる原因は「元気とエネルギーの不足」
処方:元気とエネルギーを補い、プラス神経のたかぶりを抑える「帰脾湯」
となります。
実際には帰脾湯だけではヤバいかも…と直前になり日和ったので、帰脾湯にプラスして、寝る前に桂枝加竜骨牡蛎湯を1包だけ追加で加えさせていただきました。
なぜ桂枝加竜骨牡蛎湯を入加えたかというと、眠りの質が悪い可能性があったからです。眠りの質が悪いと十分に体力が回復しないので帰脾湯の効きが悪くなります。不眠の訴えこそありませんでしたが、エネルギー不足とストレスが伺えたので「もしかしたら…」と思い追加でお出ししました。
結果どうなったか
きっちり2週間後にご来店になられ、3日で症状が治まり、その後ずっと大丈夫(残尿感や膀胱炎のような症状は出ていない)とのこと。
その後、2週間、帰脾湯だけを服用されて終了となりました。
で、翌年、また同じ時期にご来店されて同じ症状が出ているとのことで今度は帰脾湯だけをお買い上げになられました。
同じく2週間後にご来店されて著効とのこと。またその後2週間服用されて終了です。
膀胱炎といえば猪苓湯や清心蓮子飲が多用される傾向がありますが、これら処方はあくまでも尿の排出を促して菌を外に追い出すという処方です。なので、治ることもありますが、体力の低下で何度も再発している場合には無効です。無効ならまだいいですが、体力を奪い、症状を重篤化させてしまうこともあるので気を付けて用いる必要があります。
漢方薬はあくまでも心身のバランスを整えるものです。西洋薬のように病気に対して決まった薬を使うというものではありません。個人的にお使いになる際はこの辺をしっかり考えて使用する必要があります。ぜひ参考にしてくださいませ。
お悩みの方はぜひみやわき健康薬局までご相談を。
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