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みやわき健康薬局  宮脇 崇

 ストレスで咳が出る原因と漢方薬による対処法

更新日:11月23日

こんばんは^^今日は暖かい一日になりましたね。ただ、週末はまた寒くなる予報が出ていますので、お出かけの際には少し厚めの上着を持っていくようにしてくださいませ。


さて、今回のブログは「ストレスで咳が出る原因と漢方薬による対処法」という内容で書いて行きたいと思います。


咳といえば風邪を引いた時や異物が気管に侵入した時などに出るものですが、ストレスによっても出ることがあります。


そのストレス性の咳の特徴と改善法についてご説明しますね。



ストレスが原因で発生する咳の特徴

ストレスが原因で生じる咳は当然のことながら「ストレスを感じている時」に出ます。

家でゆっくりしている時や就寝中はあまり出ないものの、仕事をしている時や太陽光を浴びている時、暑すぎる時、寒すぎる時、強い風に当たっている時、辛い物を食べた時、イライラいしている時、不安を感じている時など「ストレスや外気の変化、交感神経刺激」がある時に咳が出ます。


痰はほぼ混ざりませんが、無色透明の粘液が出ることがあります。黄色の痰が排出されるということはほぼありません。理由はストレス性の咳は感染ではないので、感染によって出る「色の付いた痰」は排出されないからです。


逆流性食道炎の場合は酸っぱいものが頻繁にこみあげてくるという特徴があります。



✅さらに風邪の延長として出ることもある

最初は風邪の罹患で出ていたものの、風邪が治った後も「咳による咳中枢の興奮」によって、咳だけが出続けることがあります。咳をするという行為は、気を上に向かわせます。咳をするときってお腹に力が入りますよね。せき込むと顔が真っ赤になることがあると思います。これらの例で分かると思いますが、咳をするという行為が頭部に充血や刺激をもたらすので、脳が興奮して咳中枢を刺激→咳が止まらななくなるという状況を作り出します。



先に進む前に病院での検査はきちんと行いましょう

咳には病気が隠れていることがあります。

気管支炎や肺炎、肺がん、気管支拡張症、心不全、甲状腺機能亢進症、逆流性食道炎など様々な病気が隠れていることがありますので、「咳が長引く」という症状がある場合には専門の医療機関にて診てもらうようにしてください。自分で病気を判断しないようにしましょう。





以上を踏まえた上での漢方薬対策法


漢方では心と肝に問題が発生していることにより、肺がその影響を受けてストレス性の咳が引き起こされていると判断します。


精神的ストレスによって心身が緊張して血流が阻害されます。この状態が肝気鬱結という状態となり、全身の筋肉の緊張や血流障害、肝機能が抑制されることによる栄養状態の悪化などが引き起こされます。腹部の筋肉や内臓、咽頭部周辺の筋肉が緊張すると、その圧迫やけいれん、血流の悪化によって肺の動き(気管支や粘膜も含む)に問題を発生させるので咳が発生します。


また、ストレスは心火という脳の興奮状態も作り出します。脳が興奮すると咽頭部にヒステリー球という違和感(喉に何かあるような違和感が発生する)や咽頭部の収縮、渇きなどが発生するので咳が出やすくなります。さらに咳中枢の興奮も生じやすくなります。


漢方薬では肝気鬱結を鎮める加味逍遙散や抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯、心火を鎮める黄連解毒湯や柴胡加竜骨牡蠣湯などを用います。しゃっくりなどを伴う時は腹部の緊張を緩和させるために芍薬甘草湯を用いることもあります。


逆流性食道炎がある時は半夏瀉心湯や平胃散、定悸飲などを考えます。


咽頭部の乾燥などが強く出ている場合には、竹葉石膏湯や滋陰降火湯、滋陰至宝湯、天王補心丹などで咽頭部及び体全体を潤す処方を用いることもあります。心身を潤すことで精神を落ち着けることもできます。




実際に店頭でこのような事例はあるのか?

「そんなこというけど、治らない咳をまとめてストレスって言ってるんじゃないの?」

と考える方もいらっしゃると思いますのでご説明しますね。


実際には「たまにいらっしゃいます」一冬で10~20名くらいは接客しますね。

感受性の高い若い方や、陰虚といって体全体の水分保持力が低下しているが故に脳が興奮しやすくなっている高齢者に多い印象を受けます。


これは経験ですが、どう考えてもウイルスや細菌がいるような状態でもないし、かといって免疫が暴走している状態でもない。また、風邪罹患後の炎症(ウイルスと免疫との戦いによって生じる)という感じでもない(咳が緩和されて行かない)、さらに喘息や気管支炎でもないという場合で、以上のようなストレス時に悪化するような傾向があるに例えば抑肝散加陳皮半夏などを使うと急に咳が治ってしまうということがあります。何度も経験していると、今までの経過をお伺いすることで分かるようになります。


なので、よく見受けられる事例ではないものの、確実に出会う事例であるといえます。




咳が治らない…

何となくストレスが原因っぽいという場合は漢方薬局にご相談くださいませ。




今回は以上になります。よい週末を^^





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