こんばんは^^朝から極寒という感じとなりましたここ鹿嶋市です。急に冬が来たので体がびっくりしますね。体を冷やさないようご自愛ください。
さて、今日は「こころの不具合によく使われる逍遥散ってどんな漢方薬なの?」というお題でブログを書いていこうと思います。
皆さん逍遥散ってご存じですか?
逍遥散の親戚の加味逍遙散の方が有名なので、加味逍遙散ならば知ってるという方も多いかと思います。
今回はこの逍遥散、加味逍遙散についてご説明しますね。
逍遥散は心身の「調和」を目的とする薬
逍遥散、加味逍遙散は和解剤と呼ばれる分類となります。和解剤とは漢方でいう臓腑の調和を行うという意味。精神的なストレスによって漢方でいう肝と脾という臓器の調和が乱れることがあるのですが、それを調整したり、脾と胃の調和を整える、血液の流れや筋肉の緊張を調整するなどの役目をいいます。
このうち、逍遥散、加味逍遙散は
肝気鬱結(かんきうっけつ)+血虚(けっきょ)+脾虚(ひきょ)
肝脾不和(かんぴふわ)
などに効果があるとされています。
順番に説明しますね。
①肝気鬱結+血虚+脾虚
肝気鬱結とはストレス状態という意味になります。イライラ、憂うつ、不安感、胸脇部の張り、ため息がでる、喉が詰まったような感じがするなどの症状が出ます。この症状がメインとなり、体質的に血虚という貧血や心身のエネルギーが不足している状態+胃腸が強くない方に適応になります。
体質的に胃腸が弱く、貧血気味(エネルギー不足気味)な方のストレスによる心身の不具合に用いる薬です。
②肝脾不和
ストレスが入ると自律神経が乱れますので、人によっては「胃腸の調子が悪くなる」こともあります。この状態を肝脾不和といいます。当然の反応なのですが、ストレスによる胃腸への影響が強く出てしまう方に適応になると覚えておきましょう。
基本的にはこのような症状に用います。
加味逍遙散は逍遥散に牡丹皮、山梔子という清熱、抗炎症作用も持つ生薬がプラスされた漢方薬になります。即ち、逍遥散の症状にプラスして、のぼせ、口が乾く、頭痛、微熱、寝汗、不眠、鼻血、気温が高いと症状が辛いなど、熱症状がある方に適応になる処方です。
マルチな感じでストレスがある人には誰にでも効きそうですがそんなこともない
先ほど説明した通り、逍遥散は「ストレス+エネルギー不足+胃腸が弱い」という症状に、加味逍遙散は「ストレス+エネルギー不足+胃腸が弱い+熱症状」などの症状に効果がありますが、バランス重視で作られているために、例えばイライラがものすごく強いという方や、胃痛や食欲不振などの胃腸症状が強く出ているなど、ストレスによる不快症状が、ある特定の部分に強く出ている場合には「役不足」になってしまうこともあります。
また、心身の虚(弱り)が強い場合には、配合されている柴胡や芍薬、薄荷による緊張を緩和させる作用により、余計に心身の虚が進んでしまい、めまいやだるさ、焦燥感、不安感などが憎悪してしまうことがあります。
よって、万人のストレスによる心身の不調、PMS、更年期障害に効果があるという訳ではありません。
あくまでも、胃腸の弱り、心身のエネルギー不足や貧血が体質的にあり(それほど強くない)、そこにストレスが加わり心身に不具合が起きている場合に適応になるという処方です。
ストレスが強ければストレスに特化した四逆散や柴胡加竜骨牡蠣湯、胃腸症状が強ければ柴胡疎肝湯や柴胡桂枝湯、エネルギーや血の不足がある場合は当帰芍薬散や四物湯、胃腸虚弱や心身の弱りがある場合には帰脾湯や柴胡桂枝湯などを加える又は変更するなどの工夫が必要になります。
以上、逍遥散の説明となりました。ちょっと難しいですね。我々は適応になる人について見分けることができますが、一般の人は難しいと思います。説明しきれない部分がたくさんあります。また、服用してみないと分からない部分もありますので、服用してからの反応を見てから微調整することも行うようにしています。
もし、逍遥散が合っているはずなのに飲んでもあまりよくならない…という場合には、微妙にずれている可能性がありますので、ぜひプロに相談してみてください。
ということで本日は以上になります。よい週末を。
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