みやわき健康薬局  宮脇 崇

2022年1月21日5 分

精神を安定させる漢方薬の問題点と使い方

こんばんは^^言うのが嫌になりますが、本当に寒い日が続きますね。先ほど車を運転したのですが、外気温はなんと0℃。極寒です。どうぞ温かくしておやすみください。

さて、本日は「精神を安定させる漢方薬の問題点と使い方」という話題でご説明していきたいと思います。

精神を安定させる病院のお薬っていっぱいありますよね。そして漢方薬にもたくさんのお薬があります。

✅精神を安定させる漢方薬

  • 抑肝散

  • 抑肝散加陳皮半夏

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯

  • 桂枝加竜骨牡蛎湯

  • 竜胆瀉肝湯

  • 黄連解毒湯

  • 加味帰脾湯

  • 温胆湯

  • 黄連阿膠湯

  • 加味逍遙散

  • 逍遥散

  • 半夏厚朴湯

  • 香蘇散

  • 天王補心丹

  • 七物降下湯

以上、代表的な漢方薬です。もちろん、これだけではなく他にもたくさんの漢方薬があります。

これら漢方薬に共通するのが、多かれ少なかれ「脳の興奮性を抑制させる」という働きです。

今回は、精神を安定させる漢方薬の問題点についてご説明します。

問題は心身の活性も低下させてしまうこと

問題は「精神を安定させる=脳の興奮を抑制させる⇒心身の活性を低下」させるとなるので、だるさややる気の低下、食欲不振などの症状を悪化させてしまう可能性があることです。

✅心身を安定させる薬によって出る不快症状

  • だるくなる

  • やる気がなくなる

  • 食欲不振

  • 肥満

  • 便秘

  • 風邪を引きやすくなる

  • 肌が弱くなる

  • 冷え性

  • めまい

  • 不整脈

  • むくみ

  • 朝起きられない

  • うつ症状の悪化

  • ホルモン分泌の乱れ

などが出やすくなります。

心身の活動の指令は脳が出しています。その脳の活性が低下するので当然このような症状がでます。

しかし、脳が興奮しすぎている場合には正常になるので効果を発揮する

間違って欲しくないのは、脳の興奮を抑制するお薬なので、当然、ストレスなどで脳が興奮しまくっている場合には、興奮を抑制させて正常な状態に近づけてくれるので「有効な薬」であることです。

「興奮抑制薬=危険な薬」ではありません。

適材適所。興奮しすぎている場合には適応となり、逆に脳の活性が低下している場合には逆効果となり、余計に症状が悪化することがあるので注意が必要ということです。

イライラなどの興奮症状と心身の弱りから来る不調の「原因」は同じではない

脳が興奮している、なのでその興奮を抑制させて正常な状態に戻さなければならないのか。それとも、心身のエネルギー状態及び活性が低下し、それによって脳がSOSを感じて不安感を感じるのか。この2つは似ているようで真逆の状態です。

興奮及び緊張している時というのは、脳が活性化して頭部の血液が集まっている状態です。興奮状態となっているので、血圧も上がり気味となり、不眠、のぼせ、食欲旺盛(あまりにも緊張が強い時はなくなります)、肩こり、目の奥が痛い、動悸などの症状がでやすくなります。

一方で心身の活性が低下しているが故に脳が不安定になっている時は、全身の栄養状態悪化や機能低下がみられるので、不安感が強い、疲れやすい、誰とも会いたくない、表情がなくなる、痩せる、筋力低下、食欲不振、めまい、寝ている時間が長いなどの症状がでやすくなります。

脳の興奮性が強く、心身の活性が高い場合は精神を安定させる薬

先ほど、最初に説明した興奮や緊張が強く、食欲旺盛など心身の活性度が高い場合には、脳の興奮を抑制させる薬が適応となります。

✅よく使われる漢方薬

  • 抑肝散

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯

  • 竜胆瀉肝湯

  • 黄連解毒湯

逆に心身の活性が低下しているが故に脳が不安定になっている場合に適応となる薬

次にエネルギーの低下や心身の活性が低下しているが故に、精神状態が不安定になっている場合には、心身を元気にしたり、エネルギーを補うといった目的の薬が適応となります。

✅よく使われる薬

  • 帰脾湯

  • 人参養栄湯

  • 婦宝当帰膠

  • 八味地黄丸

  • 杞菊地黄丸

  • 鹿茸活腎精

中間の症状の方もいます

緊張や興奮状態が続き、次第に心身が弱りエネルギーや心身の活性が低下してくる。更年期障害によって心身の弱りと、それに伴い脳の興奮が相まって症状が重なっている場合などは中間の状態になることがあります。

✅よく使われる薬

  • 逍遥散

  • 加味逍遥散

  • 抑肝散加陳皮半夏

  • 七物降下湯

  • 天王補心丹

また胃腸にターゲットを絞った処方もあります(胃腸を整えると自律神経が整いやすくなります)

✅よく使われる処方

  • 香蘇散

  • 半夏厚朴湯

  • 半夏瀉心湯

  • 柴胡疎肝湯

  • 柴胡桂枝湯

以上、簡単な症状とよく使われる漢方薬のご説明となります。

実際にどの漢方薬が適応になるかは、更に細かい体質の違いを見極める必要があるので、購入なさる薬局でご相談くださいませ。

先ほどもご説明した通り、症状は似ていても原因は真逆のことがあるので注意が必要です。精神的に不安定な方といえば同じような漢方薬ばかりが処方されているという現状がありますが、それでは治るものも治りません。漢方薬を精神症状の改善に用いたいという場合は、必ず漢方の専門家にご相談するようにしてください。もしお近くに相談できるところがない場合にはみやわきにご相談くださいませ。

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